WHOのパンデミック誤警告問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/21 23:24 UTC 版)
「パンデミック」の記事における「WHOのパンデミック誤警告問題」の解説
「2009年新型インフルエンザの世界的流行」も参照 WHOは、2009年に「今、すべての人類が脅威にさらされている」として新型インフルエンザH1N1亜型を全ての人類の脅威として警告を行った。その後、新型インフルエンザが弱毒性であることが発覚するも、顕著な感染や死亡の被害が著しい事態を想定した警告であるフェーズレベル6/6と警告し、パンデミック(世界的大流行)の宣言を行なった(このWHOのパンデミック警告の経緯については、「2009年新型インフルエンザの世界的流行#発生確認」を参照)。しかし、「全ての人類の脅威」とまで宣言された新型インフルエンザは、他の季節性インフルエンザと大差ないレベルのインフルエンザであり、被害も小さかった。一連のWHOの誤報を重く見た欧州議会は、パンデミック宣言に至った経緯の調査に踏み出す事態となった。 欧州議会ヴォルフガング・ワダルグ(英語版)前保健衛生委員長は、「WHOのパンデミック宣言は、偽のパンデミックであった」とし、一連のパンデミック宣言を批判した。「その原因にはWHOの意思決定に製薬会社の意向が大きく影響しており、それが今回のパンデミック宣言につながった」として、WHOの意思決定システムを問題視している。そのパンデミックの言葉は、医学的にも歴史的にも不適切な使用であった。一方、世界最大規模の製薬会社であるグラクソ・スミスクライン社(イギリス)は、「製薬会社がWHOのパンデミック宣言に影響を与えているなどの認識は、誤りである」と、インタビューで反論している。
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