WHOの健康定義の改正提案
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/24 05:18 UTC 版)
「スピリチュアリティ」の記事における「WHOの健康定義の改正提案」の解説
スピリチュアリティという用語の主流文化における広がりは、1998年に世界保健機関(WHO)が新しく提案した健康定義にspiritualが含まれていたことに始まる。以下が提案された健康定義である。 Health is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual and social well being and not merely the absence of disease or infirmity. 「健康とは、完全な身体的、心理的、スピリチュアル及び社会的福祉の動的な状態(静的に固定されていない状態)であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」 提案された定義では、dynamicとspiritualという部分が新たに追加されている(この提案は現在まで保留されている)。spiritual(スピリチュアル、霊的、宗教的)の追加は、人間の尊厳の確保や生活の質(QQL)を考えるために、必要かつ本質的なものだという観点から提案されたと言われており、スピリチュアリティを、人間として生きることに関連した経験的一側面であり、身体感覚な現象を超越して得た体験を表す言葉として捉えられた。定義改正に積極的だったのは宗教活動が生活に根付いているイスラム圏やアフリカ諸国の代表だった。定義改正への反対意見としては、スピリチュアリティと宗教との混同や、代替医療の横行の恐れなどが指摘された。 最終的には健康定義の改正には至らなかったがWHOでの定義改正提案を契機にして、スピリチュアリティは、宗教学にとどまらない学際的な概念としてアカデミズムの世界でも注目されるようになった。
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