VNCの医学的意義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/11 06:55 UTC 版)
「VNC (微生物学)」の記事における「VNCの医学的意義」の解説
VNCという概念が生み出されたことによって、いくつかの医学的な仮説が提唱されている。 環境中でVNC状態の細菌がヒトの体内で蘇生して病原体になる可能性 食品や水に培養不能菌やVNC菌が存在していることが、これまで原因不明であった食中毒の原因になっている場合がある可能性 赤痢菌や腸管出血性大腸菌は100個程度のきわめて少ない菌数でも発病するが、実際には多数のVNC状態の菌が感染に関与している可能性 抗生物質の種類や濃度によっては細菌に対して静菌的に作用するものがあるが、VNC菌の病原的意義によってはその有効性を再検討する必要が生じる。 VNC菌は細菌学的手法で本来分離不能であるためコッホの原則の第二条件を満たさない。この点で従来の病原体の同定手法とは異なったアプローチが必要である。VNC菌の同定のためには、培養可能な条件や蘇生条件の検討を行うことが必須であるが、それに変わるものとしてメタゲノミクスなどの手法が考案され、研究が進んでいる。
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