TAM
【概要】 逆転写酵素の41, 67, 70, 210, 215, 219番目のアミノ酸変異。チミジンの誘導体であるアジドチミジンやスタブジンの使用で獲得され、ラミブジン、エムトリシタビンを除く他の核酸系逆転写酵素阻害剤(NRTI)全てに交差耐性を示す変異のこと。これらの変異があるとウイルスDNAにNRTIがくっつきにくくなる。自然にできる変位ではなく、薬剤を使っているときに発生する。最も高度な耐性になるのは215番のアミノ酸であるスレオニンが変異したとき。途中にセリン、システイン、グルタミン酸、イソロイシン、トリプトファンなど耐性ではないが中間的な変異があり、最終的にはフェニルアラニン、チロシンというTAMに変わっていく。 44, 69, 75, 118の変異はTAMに関連して同時にみられ耐性に寄与する。
TAMs
【概要】 薬剤耐性検査で核酸系逆転写酵素のアミノ酸変異のうち、M41L, D67N, K70R, L210W, T215Y/F, K219Qの6種類のこと。通常はd4TやAZT治療で出現し、ABC, ddI, TDF, ddCなど他のNRTIに中等度の耐性になる。TAMが3箇所までならTDFは有効といわれる。
【詳しく】 最初に215Yを獲得すると、その後、41L, 215Y, 210Wを獲得してAZTとd4Tへの高度耐性となる。一方、最初に70Rを獲得すると、その後67N, 70R, 219Q/Eを獲得してAZTとd4Tへの軽度耐性になるが、交差耐性は少ない。
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