Terry Jonesとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Terry Jonesの意味・解説 

テリー・ジョーンズ

(Terry Jones から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/10 09:11 UTC 版)

テリー・ジョーンズ
Terry Jones
2007年5月5日撮影
本名 Terence Graham Perry Jones
生年月日 (1942-02-01) 1942年2月1日
没年月日 (2020-01-21) 2020年1月21日(77歳没)
出生地 ウェールズ・コルウィンベイ
国籍 イギリス
職業 俳優
コメディアン
映画監督
作家
歴史学者
ジャンル 映画
テレビ番組
配偶者 アリソン・テルファー(1970年 - 2012年)
アナ・ソダーストロム(2012年 - )
主な作品
監督兼出演
モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル
ライフ・オブ・ブライアン
人生狂騒曲
エリック・ザ・バイキング/バルハラへの航海
脚本兼出演
空飛ぶモンティ・パイソン
モンティ・パイソン・アンド・ナウ
脚本
ラビリンス/魔王の迷宮
受賞
カンヌ国際映画祭
審査員特別グランプリ
1983年人生狂騒曲
その他の賞
備考
モンティ・パイソン』 メンバー
テンプレートを表示

テレンス・グレアム・パリー・“テリー”・ジョーンズ(Terence Graham Parry "Terry" Jones, 1942年2月1日 - 2020年1月21日)は、イギリスコメディアン映画監督作家歴史学者。イギリスの代表的なコメディグループであるモンティ・パイソンのメンバーである。

来歴

生い立ち

北部ウェールズで生まれたのち、銀行員であった父の仕事の都合でサリー州で育つ。10代を通してラグビーに熱中した。

オックスフォード大学セント・エドモンド・ホール・カレッジに進学して英語学(English)やイギリスの歴史を学ぶかたわら、演劇を学び、同校のコメディサークル「オックスフォード・レビュー」に所属する。同サークルではエディンバラ・フェスティバルでの公演を成功させるなど実績を積んだほか、のちにコンビを組んでスケッチを執筆することになるモンティ・パイソンマイケル・ペイリンと出会っている。

パイソン前

大学卒業後はコメディライター兼役者となり、イギリスの歴史をパロディ化したコメディ番組『ザ・コンプリート・アンド・アッター・ヒストリー・オブ・ブリテン』や、マイケル・ペイリンやエリック・アイドルらと共演した子供向け番組『ドゥ・ノット・アジャスト・ユア・セット』などに参加する。

『ザ・フロスト・レポート』をはじめとするデービッド・フロストの番組にもライターとして参加したほか、1968年には音楽ディレクターのバリー・ブースのために楽曲を作詞している。そして、1969年、他の5人のメンバーとともに「モンティ・パイソン」を結成した。

モンティ・パイソン

1969年に放送を開始した『空飛ぶモンティ・パイソン』でのジョーンズは、番組の特徴である「オチを排した展開」を提案した。ペイリンとともに執筆したスケッチはビジュアルに訴える作風のものが多く、シュールさを前面に押し出したものが少なくない。役者としては、貴族の男性から庶民の老婦人までを特徴的に演じ、特に「ペッパー・ポット」と呼ばれるキンキン声のオバサン役はジョーンズのはまり役となった。スケッチでは服を脱いで裸となることも多く、中でも第3シリーズのオープニングに登場した「裸のオルガン奏者」は有名である。

また、ジョーンズは演出にも興味を持ち、テレビシリーズではメンバー中最後までテレビ局に残り、編集などの指図をしていたという。テレビシリーズ終了後の映画では全作において監督を務めた(『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』ではテリー・ギリアムと共同監督)。

パイソン後

復活ライブ!』(2014年)で「スペイン宗教裁判」を演じるジョーンズ

パイソンズの活動終了後も作家・脚本家として活動し、『リッピング・ヤーン』ではペイリンと共同で台本を執筆したほか、『ラビリンス/魔王の迷宮』などの映画の脚本も手掛ける。映画監督の道へも進み、自身の小説の映画化である『エリック・ザ・バイキング/バルハラへの航海』や『たのしい川べ』などを演出した。

コメディ作家としての活動から離れた後は、主に歴史学者として活動し、ジェフリー・チョーサーの研究では学術分野でも評価され、大学の講義で使用される教科書『チョーサーズ・ナイト』も執筆した。また、十字軍の研究でも知られており、BBCのドキュメンタリー番組『クルセイダーズ』の制作などを手掛けた。近年は新聞での政治的・社会的論評のほか、子供向けの絵本や小説の執筆活動が目立っている。

2006年10月21日の『デイリー・ミラー』紙に「Python legend battles cancer(伝説のパイソンががん闘病中)」と題する記事が掲載され、初期の腸がんであることが公表された[1]。しかし、24日付の記事では、試験開腹を受けた結果、状態は良好であるという情報が掲載された。

2016年9月23日、ジョーンズが前頭側頭型認知症による原発性進行性失語と診断されたことが発表され[2][3]、翌24日にはパイソンズ時代の執筆パートナーだったマイケル・ペイリンも「見ているのが痛ましい」とのコメントを発表した[4]。また後にはパイソンズの一員であるエリック・アイドルが「テリーは復活ライブを最後まで頑張ってやってくれた」とインタビューで答えており、2014年の復活ライブの頃には既に発症していたのだとほのめかしている[5]

同日、同年10月2日に開催される英国アカデミー賞のウェールズ版である第25回 BAFTA Cymru (enの授賞式で、映画・テレビへの優れた貢献に対する特別賞(: The BAFTA Special Award for Outstanding Contribution to Film and Television)を授与されることが発表された[2][6]

2020年1月21日死去[7]。77歳没。 

私生活

1970年生化学者のアリソン・テルファーと結婚し、2人の子供をもうける。長男ビルは、自身の経営する「ビル&ベン・プロダクション」でモンティ・パイソンに関するものを含む映像作品の制作を手掛け、2012年に『モンティ・パイソン ある嘘つきの物語 グレアム・チャップマン自伝』を監督・プロデュースした。

2012年にテルファーと離婚し、41歳年下のスウェーデン人女性アナ・ソダーストロムと再婚した。ソダースロトムとの間にも子供を1人もうけている。

主な作品

テレビ番組

  • ザ・フロスト・レポート The Frost Report (1966年 - 1967年) - 脚本
  • ドゥ・ノット・アジャスト・ユア・セット Do Not Adjust Your Set (1967年 - 1969年) - 脚本・出演
  • ザ・コンプリート・アンド・アッター・ヒストリー・オブ・ブリテン The Complete and Utter History of Britain (1969年) - 脚本・出演
  • 空飛ぶモンティ・パイソン Monty Python's Flying Circus (1969年 - 1974年) - 脚本・出演
  • シークレット Secrets (1973年) - 脚本
  • リッピング・ヤーン Ripping Yarns (1976年 - 1979年) - 脚本・出演
  • インディ・ジョーンズ/若き日の大冒険 第11話 The Young Indiana Jones Chronicles (1992年) - 演出・出演
  • 十字軍物語 Crusades (1995年、ドキュメンタリー番組) - 脚本・プレゼンター
  • ダイノトピア Dinotopia (2002年、ミニシリーズ) - 声の出演

映画

主な著作

創作 (日本語訳)

  • 『エリック・ザ・バイキング』 マイケル・フォアマン 絵、山岡洋一 訳、日本放送出版協会、1990年。 The Saga of Eric the Viking (1983年)
  • 〈テリー・ジョーンズ童話集〉 ※日本では「その1」「その2」に分冊。マイケル・フォアマン Michael Foreman
    • その1『イースト・オブ・ザ・ムーン』マイケル・フォアマン 絵、さくまゆみこ 訳、 リブリオ出版、1990年。 Fairy Tales (1981年)
    • その2『風のゆうれい』マイケル・フォアマン 絵、さくまゆみこ 訳、 リブリオ出版、1990年。 Fairy Tales (1981年)
  • 『いたずら妖精ゴブリンの仲間たち』テリー・ジョーンズ 蒐集・著、ブライアン・フラウド Brian Froud 作画、井辻朱美 訳、東洋書林、2001年。 The Goblin Companion: A Field Guide to Goblins (1996年)
  • 〈騎士見習いトムの冒険〉
    • <1> 『偉大なる騎士サー・ジョン!』マイケル・フォアマン 絵、斉藤健一 訳、ポプラ社、2004年。 The Knight and the Squire (1997年)
    • <2> 『美しきエミリア!』マイケル・フォアマン 絵、斉藤健一 訳、ポプラ社、2005年。 The Lady and the Squire (2000年)
  • 『モンティ・パイソン正伝』グレアム・チャップマン、ジョン・クリーズ、テリー・ギリアム、エリック・アイドル、テリー・ジョーンズ、マイケル・ペイリン、ボブ・マッケイブ 共著。奥山晶子 訳、須田泰成 監修、白夜書房、2005年。The Pythons autobiography by the Pythons (2000年)
  • 『空飛ぶモンティ・パイソン』〈第1シリーズ〉グレアム・チャップマン、ジョン・クリーズ、テリー・ギリアム、エリック・アイドル、テリー・ジョーンズ、マイケル・ペイリン 共著。須田泰成 監修、高野由美 訳、イースト・プレス、2008年。The complete Monty Python's flying circus all the words (1989年)[注釈 1]

ノンフィクション

アラン・エレイラと共著

その他のノンフィクション

エッセー集

関連資料

脚注

注釈

  1. ^ The complete Monty Python's flying circus : all the words. Volume 1、New York : Pantheon Books, 1989. 「モンティーパイソン」シリーズ最初期の23編のスクリプトを収録(BBCテレビで1969年と1970年に放送)[8]

出典

  1. ^ Martin Fricker (2006年10月21日). “PYTHON LEGEND BATTLES CANCER”. デイリー・ミラー. http://www.mirror.co.uk/news/uk-news/python-legend-battles-cancer-646339 2016年9月25日閲覧。 
  2. ^ a b Terry Jones to be Honoured at 25th British Academy Cymru Awards”. Monty Python (2016年9月23日). 2016年9月25日閲覧。
  3. ^ Press Association (2016年9月23日). “Monty Python star Terry Jones reveals dementia diagnosis”. ガーディアン. https://www.theguardian.com/culture/2016/sep/23/terry-jones-monty-python-star-dementia-diagnosis-bafta-cymru 2016年9月25日閲覧。 
  4. ^ Press Association (2016年9月24日). “Impact of dementia on Terry Jones is 'painful to watch' says Michael Palin”. ガーディアン. https://www.theguardian.com/culture/2016/sep/24/impact-of-dementia-on-terry-jones-is-painful-to-watch-says-michael-palin 2016年9月25日閲覧。 
  5. ^ CHRISTINE HAUSER (2016年9月23日). “Terry Jones of Monty Python Has Dementia, His Family Says”. Television (ニューヨーク・タイムズ). http://www.nytimes.com/2016/09/24/arts/television/terry-jones-of-monty-python-has-dementia-his-family-says.html?_r=0 2016年9月27日閲覧。 
  6. ^ montypythonのツイート(779342022452928512)
  7. ^ “Terry Jones: Monty Python star dies aged 77”. BBC. (2020年1月22日). https://www.bbc.com/news/entertainment-arts-51209197 2020年1月22日閲覧。 
  8. ^ Graham Chapman; John Cleese; Terry Gilliam; Eric Idle; Terry Jones; Michael Palin (1989) (英語). The complete Monty Python's flying circus : all the words. 1. New York: Pantheon Books. ISBN 9780679726470. OCLC 734073684 
  9. ^ Terry Jones (2004) (英語). Terry Jones' medieval lives. Alan Ereira. London: BBC. ISBN 9780563487937. OCLC 803295739. https://archive.org/details/terryjonesmediev00terr 2019年12月25日閲覧。 

関連項目

外部リンク


「Terry Jones」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Terry Jones」の関連用語

Terry Jonesのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Terry Jonesのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのテリー・ジョーンズ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS