TMSの技術的な情報
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 13:50 UTC 版)
「経頭蓋磁気刺激法」の記事における「TMSの技術的な情報」の解説
TMSは単純に言えばファラデーの電磁誘導の法則を応用して、頭皮や頭蓋骨などの絶縁組織を通過して電流を不快感なく流す装置である。ワイヤーのコイルはプラスチックの中に入れられ、頭部に当てられる。巨大なコンデンサからの急速な放電によってコイルに電圧が印加されると、その巻き線に急速な電流の変化が生まれる。それによりコイルの平面に直交するように磁場が生まれる。磁場は頭皮や頭蓋骨に妨げられることなく通過し、頭蓋骨に対する接線方向にコイルの電流と逆向きの電流を脳内で誘起する。脳内に生じた誘起電流は皮質表面への電気刺激と同様に付近の神経細胞を活性化させる。脳は一様な電気伝導体ではなく、不規則な形をしているため、この電流の経路はモデル化するには複雑である。MRIに基づく定位固定制御により、TMS刺激の目標との誤差は数mm程度になるとされている (Hannula et al., Human Brain Mapping 2005)。 典型例磁場 : 通常はコイル表面で約2テスラ皮質内で0.5テスラ 電流上昇時間 : 原点からピークまで通常70から100ms の間 波形 : 単相または2相 rTMSの反復周波数 : 1 Hz 以下 (slow TMS) または1 Hz 以上 (rapid-rate TMS)
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