Sun Beltとは? わかりやすく解説

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サンベルト【Sunbelt】

読み方:さんべると

米国南部の、カリフォルニア州からノースカロライナ州に至る、北緯37度線以南温暖な地域の称。1970年代以降航空機エレクトロニクスなどの諸産業発達し人口増大

[補説] 年間通して日照時間長く温暖降雨量少ないなど、同じよう特徴のある地域を「日本のサンベルト」のようにたとえていう。


サンベルト

(Sun Belt から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/03 15:44 UTC 版)

サンベルト地帯、赤色で強調。

サンベルト: Sunbelt)とは、アメリカ合衆国南部および南西部の、北緯37度以南の地域のことである[1]。温暖な気候と関連してこう呼ばれる[2]

概ね以下の各州が含まれる。

変遷

当地域は農業が盛んであったが、近年は石油産業や航空機・電子・研究機関などの先端技術産業が発達している。

1970年代から1980年代にかけて工業事業所や雇用が増加した[1]。増加した産業のうち衣料、繊維・織物産業は、労働集約型産業として多くの工場が農村部に立地し、結果として農村部の工業化が進行した[1]。同様な傾向はアメリカ南部の各地でみられた[1]。ほかにサンベルトの一部地域(リサーチ・トライアングルフォートワースシリコンバレーロサンゼルス)で先端産業も増加した[1]。ハイテク電子機器産業は、大学や、専門知識等をもつ労働者が存在する地域に立地した[3]

自動車産業などで外国資本の進出もみられ[1]、自動車部品製造会社も増加した[1]

しかし、1994年に北米自由貿易協定 (NAFTA) が発効すると、より安価な労働力を求めてメキシコなどへの移転もみられ、サンベルトは製造業就業者数が20パーセント以上減少した[4]。この影響で経済が停滞する地域もみられる[5]

経済だけでなく政治的にも重要度が増している。温暖で過ごしやすく中南米や西欧、アフリカなどから多数の移民が訪れる。アメリカ国内の寒冷な地方からの移住者も多く、人口は急増している。カリブ海諸国や国内からの移住が多いフロリダ州、メキシコからの移住が多いアリゾナ州、税金が安いネバダ州、経済が好調で自然災害の被害も比較的少ないノースカロライナ州、などは社会増加が顕著である。

サンベルトとスノーベルト(フロストベルト)

サンベルトに対し、五大湖周辺からアメリカ合衆国北東部にかけての地域はスノーベルト英語版と称される[6]。フロストベルトやラストベルトとも称される[3]。この地域は1970年代に鉄鋼業自動車産業の衰退がみられた[6]。この背景として、日本ヨーロッパと比較した競争力の低下が挙げられる[3]

近年の日本では、産業発展、人口増加が顕著なサンベルトと比較して、産業の斜陽、都市の空洞化、失業・犯罪の増加などマイナスのイメージが持たれている。[独自研究?]

今日では市街地再開発の進行、治安改善や公害規制による住環境の整備、新たな産業の育成に成功している都市も多い。ボストンシカゴニューヨークはIT産業などが盛んで活況である。古くは重工業都市として知られたクリーブランドシンシナティなどは、都市の再開発や住環境の整備に成功し、 文化水準が高く住みよい都市として評判[独自研究?]を得ており、 今後日本各地の老朽化した都市の再開発を迎える[独自研究?]にあたって、その 手法は十分模範[独自研究?]になるものである。インディアナポリスコロンバスなどは 自動車工業の発展により成長を続け[独自研究?]サンベルトに比べ貧富の格差が小さく、各都市の文化、教育水準が高い[独自研究?]デトロイトなど一部の都市を除いて治安も大幅に改善された。

脚注

  1. ^ a b c d e f g 菅野 2011, p. 54.
  2. ^ 菅野 2009, p. 79.
  3. ^ a b c 矢ケ﨑 2020, p. 100.
  4. ^ 菅野 2011, pp. 54–55.
  5. ^ 菅野 2011, p. 55.
  6. ^ a b 菅野 2011, p. 53.

参考文献

  • 菅野峰明「サンベルト現象後のアメリカ合衆国南部」『地理空間』第2巻第2号、2009年、79-98頁、doi:10.24586/jags.2.2_79 
  • 菅野峰明 著「工業の発展・衰退・立地移動」、矢ケ﨑典隆 編『アメリカ』朝倉書店〈世界地誌シリーズ〉、2011年、40-55頁。ISBN 978-4-254-16858-7 
  • 矢ケ﨑典隆 著「アメリカ合衆国―多様性と統一性に着目した地誌―」、矢ケ﨑典隆、加賀美雅弘、牛垣雄矢 編『地誌学概論 [第2版]』朝倉書店〈地理学基礎シリーズ〉、2020年、92-102頁。 ISBN 978-4-254-16820-4 

関連項目


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