モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第15(18)番 ヘ長調(アレグロとアンダンテ)
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第15(18)番 ヘ長調(アレグロとアンダンテ) | Sonate für Klavier Nr.18 F-Dur (Allegro und Andante) K.533(K.494) | 作曲年: 1788年 出版年: 1788年 初版出版地/出版社: Hoffmeister |
作品解説
このソナタの最初の2つの楽章と終楽章のロンドは、本来、別個の作品であった。自作品目録を見ると、後者のロンドは1786年6月10日付けで《ピアノ独奏のための小ロンド》K.494として(翌年、単独で出版)、そして前者は1788年1月3日付けで《ピアノ独奏のためのアレグロとアンダンテ》K.533として記されている。これらは、同年、ロンドK.494の改訂を経て、改めて3楽章制の「ソナタ」として出版されたのである。これがモーツァルトの最終的な意図であるとして、現在でもソナタのジャンルに受け入れられている。したがって、番号は第18番が与えられることがあるものの(新全集では第15番)、作曲年代から考えれば、この作品は第14番K.457と第15番K.545の間に収まるものである。
第1楽章:アレグロ、ヘ長調、2/2拍子。ソナタ形式。第1主題の下行形とオクターヴ跳躍および第2主題の3連符が効果的に展開され、華やかさを増す一方で、対位法的な要素も楽章全体に張り巡らされている。
第2楽章:アンダンテ、変ロ長調、3/4拍子。ソナタ形式。主題は、フレージングがイレギュラーである上、女性終止(弱拍で終わること)のために非常に不安定な印象を与える。また、特に展開部の和音が対位法的な動きを伴って不可思議な響きをもたらしている。
第3楽章:アレグレット、ヘ長調、2/2拍子。ロンド形式。もともと小規模なロンドであったが、ソナタとして出版する際に、カデンツァ風のパッセージなどが挿入され、終楽章にふさわしく仕上げられている。また、対位法的な処理も加えられ、前楽章との統一がはかられている。
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