SEWIP
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 15:00 UTC 版)
上記の通り、SLQ-32(V)シリーズは水上艦用の電子戦装置として長く運用されてきたが、ロシアや中国の対艦ミサイル能力向上にともなって相対的な陳腐化が指摘されるようになったことから、1996年より、後継機を開発するためのAIEWS(Advanced Integrated Electronic Warfare System)計画が開始されて、1999年には、これによって開発されたAN/SLY-2のプロトタイプが登場した。しかしコスト超過と開発の遅延のため、2002年に計画はキャンセルされた。 これを受けて、より漸進的な計画として着手されたのがSEWIP(Surface Electronic Warfare Improvement Program)であった。本計画では、まずはSLQ-32で使用されている旧式部品を近代化することとなり、2003年にブロック1A、ついで1B1、1B2、2013年にはブロック1B3と順次に進められていった。 2014年には、SLQ-32のアンテナや受信機などを改良してESM機能を強化したブロック2、2016年にはアクティブECM機能を強化して複数目標にも同時対処可能となったブロック3が登場した。また特にインド・太平洋地域では中国による危機が増大していることから、2013年頃からは、SLQ-32(V)のECM機能を強化するためのモジュールとしてSLQ-59 TEWM(Transportable Electronic Warfare Module)の装備が進められており、これはSEWIPブロック3Tと位置づけられている。欧州・アフリカ地域の第6艦隊でも、能力強化されたSLQ-62 TEWM STF(Speed To Fleet)の装備が進められている。
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