SERMおよび女性ホルモン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 16:18 UTC 版)
「骨粗鬆症」の記事における「SERMおよび女性ホルモン」の解説
ラロキシフェン・バゼドキシフェン これらSERM(selective estrogen receptor modulator)は、エストロゲン受容体に対するパーシャルアゴニストであり、骨代謝ではエストロゲンアゴニスト、骨外ではアンタゴニストとして作用するため、高脂血症、乳癌のリスクも低下させる。エストロゲンのように乳癌や子宮癌のリスクを増やさないとされる。骨密度は投与開始から3%程度の改善があり、その後はプラトーとなる。ビスフォスフォネート系薬剤にはない骨質改善効果があるとされる。浮腫を来し易いという欠点がある。また下肢静脈血栓症のリスクを上げるために寝たきり患者などの臥床者には使用できない。SERMの特徴としては椎体骨折以外の骨折を減らしたというエビデンスがないことがあげられる。SERMは骨粗鬆症の治療で第1選択ではないものの、BPが使用できない場合、BPを5年ほど使用し中止した場合、BPを使用しても椎体骨折を繰り返している女性で内服による血栓症のリスク増加を許容できるくらいADLが良い場合に使用が検討される。 女性ホルモン製剤 骨粗鬆症よりも更年期障害や美容の目的で使用される。乳癌や子宮癌の発生頻度を上げるという問題がある。女性ホルモン製剤は骨粗鬆症と同時に重い更年期障害がある閉経後間もない女性が対象ならば、まとめて治療できるメリットがある。しかし女性ホルモン製剤は骨粗鬆症自体には保険適応がない。またホルモン補充療法は、大規模臨床試験の途中で、冠動脈疾患や乳癌発症などのリスクが骨折減少などの有益性を上回ったため、中止された。
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