ホルモン補充療法とは? わかりやすく解説

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ホルモンほじゅう‐りょうほう〔‐レウハフ〕【ホルモン補充療法】

読み方:ほるもんほじゅうりょうほう

エッチ‐アール‐ティーHRT


ホルモン補充療法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/11 00:56 UTC 版)

成分一覧
エストロゲン エストロゲン
プロゲステロン プロゲステロン
臨床データ
販売名 Clinorette, Femoston, Novofem, Tridestaなど
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ホルモン補充療法(ホルモンほじゅうりょうほう、英語: hormone replacement therapyHRT)、または、更年期ホルモン療法英語: menopausal hormone therapy)は、更年期による障害の治療に用いられるホルモン療法の1つである[1]。更年期障害にはホットフラッシュ寝汗膣の乾燥気分の問題、などがあげられる[2]。一般的にこのような症状の治療に推奨される[1]がん心臓病骨粗鬆症などの長期間の健康障害の予防を目的とする一般的な使用は推奨されない[3]。いくつかの投与経路からの短期間での使用が推奨される[4]

副作用には、胆嚢疾患、脳卒中尿失禁血栓、などがあげられるが、転帰不良や死亡の全体的なリスクは変わらない[3]。暫定的な証拠により、60歳未満の人への使用は害より効果の方が大きいことが裏付けられている[5][6]。一般的に肝臓に問題のある人や乳癌の人への使用は推奨されない[2]。ホルモン補充療法にはエストロゲンとプロゲストーゲンが使用される[7]子宮体癌のリスクの増加を避けるためにプロゲストーゲンが使用されるが、子宮が摘出されている人には必要ない[3]。時にテストステロンなどのアンドロゲンが使用される場合もある[4]

ホルモン補充療法は1890年代から行われている[8]。2024年の米国での費用は種類によって異なり、10米ドルから500米ドルである[9]。 2023年、エストロゲンの一種であるエストラジオールは、WHO必須医薬品モデルリストへの収載が却下されたが、収載を検討するよう勧告された[10]。2000年代には生物学的同一ホルモン補充がより「自然」であるという主張により人気を集めたが、その効果や安全性は不明であり、使用は推奨されない[11][12]

出典

  1. ^ a b Crandall, CJ; Mehta, JM; Manson, JE (7 February 2023). “Management of Menopausal Symptoms: A Review.”. JAMA 329 (5): 405-420. doi:10.1001/jama.2022.24140. PMID 36749328. 
  2. ^ a b About hormone replacement therapy (HRT)” (英語). nhs.uk. NHS (2023年7月21日). 2023年10月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月6日閲覧。
  3. ^ a b c Gartlehner, G; Patel, SV; Reddy, S; Rains, C; Coker-Schwimmer, M; Kahwati, L (November 2022). “Hormone Therapy for the Primary Prevention of Chronic Conditions in Postmenopausal Persons: An Evidence Review for the U.S. Preventive Services Task Force”. Evidence Synthesis. PMID 36413605. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK586478/ 2024年3月8日閲覧。. 
  4. ^ a b Types of hormone replacement therapy (HRT)” (英語). nhs.uk. NHS (2023年7月21日). 2024年1月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月6日閲覧。
  5. ^ Langer, RD; Hodis, HN; Lobo, RA; Allison, MA (February 2021). “Hormone replacement therapy – where are we now?”. Climacteric 24 (1): 3–10. doi:10.1080/13697137.2020.1851183. PMID 33403881. 
  6. ^ “The 2022 Hormone Therapy Position Statement of The North American Menopause Society” Advisory, Panel (1 July 2022). “The 2022 hormone therapy position statement of The North American Menopause Society.”. Menopause (New York, N.Y.) 29 (7): 767-794. doi:10.1097/GME.0000000000002028. PMID 35797481. 
  7. ^ “Treatment of Symptoms of the Menopause: An Endocrine Society Clinical Practice Guideline”. J. Clin. Endocrinol. Metab. 100 (11): 3975–4011. (November 2015). doi:10.1210/jc.2015-2236. PMID 26444994. http://eprints.gla.ac.uk/113696/1/113696.pdf 2024年2月20日閲覧。. 
  8. ^ Stefanick, Marcia L. (December 2005). “Estrogens and progestins: background and history, trends in use, and guidelines and regimens approved by the US Food and Drug Administration”. The American Journal of Medicine 118 (12): 64–73. doi:10.1016/j.amjmed.2005.09.059. 
  9. ^ HRT Cost: Hormone Replacement Therapy Pricing Explained”. GoodRx. 2024年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月8日閲覧。
  10. ^ eEML - Electronic Essential Medicines List”. list.essentialmeds.org. 2023年12月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月8日閲覧。
  11. ^ Cobin, RH; Goodman, NF; AACE Reproductive Endocrinology Scientific, Committee. (1 July 2017). “Position Statement on Menopause – 2017 Update”. Endocrine Practice 23 (7): 869–880. doi:10.4158/EP171828.PS. PMID 28703650. https://www.aace.com/files/position-statements/ep171828ps.pdf 2019年3月1日閲覧。. 
  12. ^ “Bioidentical hormones”. The Medical Letter on Drugs and Therapeutics 52 (1339): 43–44. (2010). PMID 20508582. 

ホルモン補充療法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/08 07:05 UTC 版)

バソプレッシン」の記事における「ホルモン補充療法」の解説

バソプレッシンは、脳下垂体後葉荒廃による分泌不全中枢性尿崩症に対して注射剤として用いられている。また、誘導体であるデスモプレッシンは、注射・点鼻の形で用いられている。

※この「ホルモン補充療法」の解説は、「バソプレッシン」の解説の一部です。
「ホルモン補充療法」を含む「バソプレッシン」の記事については、「バソプレッシン」の概要を参照ください。

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