RNaseのコンタミネーション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/15 15:39 UTC 版)
「コンタミネーション」の記事における「RNaseのコンタミネーション」の解説
RNaseはRNAを分解する働きを持った酵素である。その本来の役割は、生物が細胞内でDNAからタンパク質を作り出す過程で一時的に必要になるmRNAについて、その役目が済んだ時点で分解することだと考えられている。RNAをin vitro(試験管内)で扱う実験では、RNaseが試料中に混入すると、実験中にRNAの分解が起こってしまい、正しい結果を得ることができない。RNaseはすべての生物に存在しているが、いずれも熱などに対して非常に安定で破壊されにくく、雑菌混入を防ぐために行われるオートクレーブ滅菌(約120℃2気圧15分)処理でも、器具や溶液中のRNaseを完全に除くことはできない。このためRNAを扱う実験では通常の滅菌処理、無菌操作以外に、RNaseを失活させ、その混入を防ぐことが要求される。RNA実験に用いる水は、あらかじめジエチルピロカーボネート(DEPC)で処理することでRNaseを破壊し、その後、DEPCの毒性を除くために所要時間経過後、オートクレーブ処理して用いる。
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