PICSの予防
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 22:46 UTC 版)
この軽減や予防には早期のリハビリテーション、家族からのサポート、自発呼吸トライアル、適当な鎮痛薬や鎮静薬の選択などが必要となるとされている。特にICU-AWを発症した人は、在院日数の増加などに伴い、死亡率も増加するとされているため、PICSの予防が急務とされている。 2010年頃から、「A: 気道確保(Airway Management)」「B: 呼吸トライアル(Breathing Trials)」「C: ケアの呼吸とコミュニケーション(Coordination of care and Communication)」「D: せん妄評価管理(Delirium Assessment)」「E: 早期運動療法(Early Mobility)」からなるPICSを予防するための「ABCDEハンドル」を提唱され始めた。後に、PICS-Fの認識が広まるにつれて、「F: 家族、フォローアップ(Family and Follow-up Referrals)」「G: 良好なコミュニケーション(Good communication)」「H: 配布資料(Handout Materials)」が追加されて「ABCDEFGHハンドル」となった。 また、PICS-Fに関しての予防・対処としては「VALUE」を用いたコミュニケーションが注目されており、「Value and appreciate what the family members said」(家族の言っていることの価値を認める)、「Acknowledge the family members emotions」(家族の感情を認め、その感情に医療者が気づいていることを伝える」、「Listen」(話を良く聴く)、「ask questions that would allow the caregiver to Understand who the patient was as a person」(他人と違う一個人として患者を理解するための質問をする)、「Elicit questions from the family members」(家族からの質問を引き出す)の5つのポイントが大事だとされている。 また、一般には病院で集中治療室に患者を入れた直後から理学療法士などが患者の体を動かしたり、麻酔薬の量などを調整したりするなどしてPICSを予防する策が講じられることが多いものの、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの下では、人手不足に伴い、予防策が十分に行われていない可能性があるとされている。
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