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New Associationist Movement

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/03 03:44 UTC 版)

 New Associationist Movement(ニュー アソシエーショニスト ムーブメント、略称:NAM〈ナム〉)は、日本発の資本国家への対抗運動。柄谷行人が「当時雑誌(『群像』)に連載した『トランスクリティークーカントとマルクス』で提示した、カントとマルクスの総合、アナーキズムとマルクス主義の総合を、実践的レベルで追求するための試み」[1]。2000年6月大阪で運動を開始、結成。2000年10月には綱領的文書である『NAM原理』を出版。2003年1月に解散[2]。2年半の活動だった。


注釈

出典

  1. ^ 柄谷行人『ニュー・アソシエーショニスト宣言』作品社、20210210、p7頁。 
  2. ^ 吉永剛志『NAM総括-運動の未来のために』航思社、2021、巻末年譜頁。 
  3. ^ 『ニュー・アソシエーショニスト宣言』作品社、20210210、pp98-pp99頁。 
  4. ^ 『ニュー・アソシエーショニスト宣言』作品社、20210210、p16頁。 
  5. ^ 『ニュー・アソシエーショニスト宣言』作品社、20210210、p100頁。 
  6. ^ ^ 柄谷行人 「資本の「力」とそれを超える「力」NAM再考」 雑誌『現代思想』 青土社 特集:現代思想の総展望 2018年1月号pp26-pp27 ■参考:私が「NAMの原理」を改定するといったとき、一つは2000年の時点に会った組織に応じた細かい規定などを削除することですが、もう一つは、NAMで生じた問題に対応する認識を付け加えることです。そして、それは、先に述べたプログラムの(4)と、それに関する解説に集約されます。(…)具体的に言うと、私はNAMで、中央で全国的な電子的地域通貨を作ろうとしたことに反対でした。「地域」では通貨は紙幣のようなものでよい。LETSを考案したリントンが尼崎の私の家に来たことがあるのですが、彼も電子的通貨に反対でした。地域通貨が根づいたあとで、それらがが自然につながるのはよいが、最初から全国的なものを目指すべきでない、と。(…)「地域」とは、人が人と現実に出会うことを意味します。電子的なコミュニケーションや交換では、アソシエーションは成り立たない。私は当初、未発達であったインターネットに期待していましたが、それは間違いだということにすぐ悟った。それはたんに連絡手段として使うべきで、会ったこともない人たちの討議に用いるべきではない。同様に、その後に発達したSNSのようなものに、私は全く期待していません。(…)アソシエーションは元来、小さなものです。だから、人が出会うことが出来る。そしてNAMはそのような「アソシエーションのアソシエーション」として想定されたのです。しかるに、小さな多数のアソシエーションがなくて、NAMという組織だけがあった。これではアソシエーションとは言えない。だから、私は、NAMを解散して、小さなアソシエーションから再出発することにした。
  7. ^ 『NAM総括-運動の未来のために』航思社、2021年、巻末年譜頁。 
  8. ^ 会社及び批評空間投資事業有限責任組合設立について
  9. ^ 投資事業有限責任組合法式はなぜ発案されたのか--批評空間社の設立にあたって--
  10. ^ NAMの原理 序論(web.archive.org)
  11. ^ https://www.radicalphilosophy.com/commentary/out-of-japan?highlight=out%20of%20japan
  12. ^ 吉永剛志「はじめに」、『NAM総括-運動の未来のために』航思社、2021
  13. ^ 「どうか、皆さん、国家資本が煽動する愚かな興奮の中に呑み込まれたり、右顧左眄・右往左往することはやめてもらいたい。そうすれば、三、四年後に確実に後悔するだろうから。その逆に、「戦後」に向けて、着々と準備をすることを勧めたい」(出典:批評空間WEBサイト)。なおこれには、大塚英志による批判がある。大塚は 『小説トリッパー』2001年冬季号 に掲載された「それはただの予言ではないか──「戦時下」の「文学」について──」(のちに角川文庫・『サブカルチャー反戦論』に再録)という文章において、柄谷の「今は右往左往せず、戦後に備えた方がいい」という主旨の呼びかけに対し、「戦時下の今こそ、言葉を発するのが文学者としての責務ではないか」と述べている(角川書店の『同時多発テロ以後のガイドブック』でも大塚は同様の発言をしている)。
  14. ^ 吉永剛志「市民通貨Q」『NAM総括-運動の未来のために』航思社、2021
  15. ^ 「「努力目標」としての近代を語る」『新現実05』2008での大塚英志の表現。p39参照。なお2021年になって柄谷本人のNAM総括本『ニュー・アソシエ―ショニスト宣言』(作品社)、NAM会員だった吉永剛志の『NAM総括ー運動の未来のために』(航思社)が出版された。
  16. ^ 第III期『批評空間』終刊と批評空間社解散のお知らせ。
  17. ^ 『政治と思想』、[要ページ番号]頁。 [要文献特定詳細情報]
  18. ^ 『近代文学の終り 同上シンポジウム』、[要ページ番号]頁。 [要文献特定詳細情報]
  19. ^ 『社会運動』インスクリプト 市民セクター政策機構、201409-201507。 
  20. ^ 『社会運動』no414第2014.9号、125頁。 [要文献特定詳細情報]
  21. ^ 柄谷行人 (2018年1月1日). 「資本の「力」とそれを超える「力」ーNAM再考」(雑誌『現代思想』特集「現代思想の総展望」掲載). 青土社 
  22. ^ 普遍的な世界史の構造を解明するために『世界史の実験』(岩波新書)刊行を機に”. 週刊読書人. 2019年8月15日閲覧。
  23. ^ 『「The Parallax View」『NewLeft Review』2004年1-2月号 『思想』2004年8月号、『現代思想』2015年1月臨時増刊号「総特集柄谷行人」pp 126-138に『視差的視点』として翻訳あり
  24. ^ この点に関しては、柄谷自身による朝日新聞におけるジジェクの『パララックス・ビュー』の書評で簡潔な反論を試みている。https://book.asahi.com/article/11647931 【初出】:2010.3.7 朝日新聞書評欄
  25. ^ また、トルコ人批評家アフメット・オズによる柄谷行人インタビュー(『at プラス02』(2009、p101)に詳しくこのジジェクの指摘に関する実情が掲載されている。
  26. ^ 柄谷・板部の対談「カントとマルクス―『トランスクリティーク』以後へ」『群像』2001.12
  27. ^ 2004年10月27日朝日新聞『プラネタリーな抵抗』
  28. ^ 『ある学問の死-惑星思考の比較文学へ』みすず書房2004
  29. ^ 『近代文学の終わり・柄谷行人の現在』2005インスクリプト収録
  30. ^ 早稲田文学」(第9次)は柄谷論文の掲載号(2004.5)から2005年5月の第9次休刊まで、「近代文学の終わり」という特集のもとに、刊行を続けた。
  31. ^ 「Re-membering Jacques Derrida」2005年2月『新潮
  32. ^ 熊野純彦; 『現代思想』創刊特集「マルクスの思想―『資本論150年』」 (2017年6月). インタビュー「資本の狂気に抗するために」 p52. 青土社 
  33. ^ 石山修武 (2008). 建築がみる夢p131. 講談社 
  34. ^ 世田谷村スタジオGAYA日記 2015年7月27日”. 石山修武. 2021年10月5日閲覧。
  35. ^ 山城むつみ (2015年1月6日). 選び取り進むこと「すばる」2015年2月号. 集英社 
  36. ^ 浅田彰、田中康夫、中森明夫 (2000年4月). 雑誌『噂の真相』鼎談「90年代の論壇・文壇状況の検証!!"身の程を知らない文化人"を斬る!」. 株式会社『噂の真相』 
  37. ^ 浅田彰 柄谷行人 坂本龍一  山城むつみ (2001年3月). 「倫理21」と「可能なるコミュニズム」、早稲田文学、2001,3月 2000年11月の対談. 早稲田文学会 
  38. ^ 浅田彰、田中康夫 (2002年9月). 憂国呆談リターンズ p41 200年12月の対談 なお田中康夫は「柄谷行人さんと?」と返している. ダイヤモンド社 
  39. ^ 浅田彰 (2016年11月). 「マルクスから(ゴルバチョッフを経て)カントへ-戦後啓蒙の果てに」、ゲンロン4、p77. 株式会社ゲンロン 
  40. ^ 浅田彰 (2016年11月). 「マルクスから(ゴルバチョッフを経て)カントへ―戦後啓蒙の果てに」、ゲンロン4 p86. 株式会社ゲンロン 
  41. ^ 『NAM総括-運動の未来のために』航思社、2021年。 
  42. ^ 『ゲンロン0』、genron、2017年、213-214頁。 [要文献特定詳細情報]
  43. ^ 関心空間 山形の投稿[1]
  44. ^ 研修資料の余白に:『はだかの王様の経済学』は戦慄すべき本である”. 2016年8月22日閲覧。
  45. ^ 世界史の構造”. 2016年8月22日閲覧。


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