Mobile IPv4
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 20:58 UTC 版)
「Mobile IP」の記事における「Mobile IPv4」の解説
ホームリンクにはホームエージェントを置いている。 移動ノードにはいつでもホームアドレスがついており、移動ノードがホームリンクにいるときは、通常のIPノードとまったく同じ動作をする。 外部リンクには外部エージェントを置いていることもある。 ホームエージェントや外部エージェントは、そのリンク上にエージェントの存在を知らせるために、ICMP Router Discovery(RFC1256)を拡張した、エージェント広告(Agent Advertisement)を行っている。これを受信することで移動ノードは、自分がいまどのリンクにいるのかを知ることができる。 Mobile IPの動きは以下の通り。 移動の検知: 移動ノードはネットワークに流れているエージェント広告を聞いて、自分が今外部リンクにいるのかホームリンクにいるのかを知る。外部リンクにいる時は、外部エージェントの広告よりその気付けアドレスとMACアドレスを知ることができる。 移動登録: 移動ノードはホームアドレスと気付けアドレスを外部エージェントを通してホームエージェントに登録パケットを出す(登録要求; Registration Request)。 ホームエージェントはその登録要求をうけて、ホームアドレスと気付けアドレスの組を管理しているデータベース(バインディング; binding)を更新(または登録)する。もしこの登録要求が新規登録なら、ホームエージェントはホームリンクに対し、そのホームアドレスのMACアドレスがホームエージェントであるようなGratuitous ARPパケットを出す。これによって、そのネットワークいるルータを含めたノードのARPキャッシュを更新する。また今後ホームアドレスへのARP requestに対してはホームエージェントが答えるようになるため、ホームアドレス宛パケットをホームエージェントが捕獲できるようになる。 移動ノードへのパケットの配送: ホームアドレス宛のパケットがホームリンクまで届くと、それは前記の仕組みによりホームエージェントが捕獲する。ホームエージェントは自身が管理しているバインディングから、そのホームアドレスをもつ移動ノードの実際の位置(気付けアドレス)がわかるので、そこに向けてIP in IPトンネリングを行う。 外部エージェント、移動ノード間は両者とも既に相手のMACアドレスがわかっているので、外部エージェントはトンネルを解除した上で、移動ノードに転送する。移動ノードには宛先が自分のホームアドレス宛のパケットが到着する。 移動ノードからは、どこのネットワークからでも送信元アドレスをホームアドレスにして送信する。一般にIPパケットは宛先アドレスだけで配送するので、既存のネットワーク変更なしに配送するが、そのネットワークでingressフィルタリングを設定している場合は、一度ホームエージェントにトンネリングした上で、そこから配送する方法もある。 ここでは外部リンクに外部エージェントが存在する場合の概要を紹介しているが、移動ノードに外部エージェント機能を組み込んだ、共有気付けアドレス(co-located care-of address)という方式もある。これは外部リンクに移動した移動ノードが自力でDHCPなどで実際の接続可能なアドレスを取得し、登録要求、パケット転送等を行う。このとき移動ノードには接続可能な気付けアドレスと不変のホームアドレスが共存していることになる。
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