MRA.4
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 10:05 UTC 版)
1992年からイギリス空軍は後継海洋哨戒機計画(Replacement Maritime Patrol Aircraft ,RMPA)を開始し、ニムロッド MR.2の後継機の検討を開始した。これにロッキード P-3C、ダッソー アトランティック、BAe ニムロッド 2000らが候補にあがったが、1996年12月にBAeのニムロッド 2000が選定され、ニムロッド MRA.4としてMR.2からの改装による生産が決定された。 MRA.4は新世代のターボファンエンジンロールス・ロイス BR700を搭載し、これを適合させるため胴体の設計を一新。主翼を拡大し、エアバスA340のグラスコックピットを導入した。1999年にBAeから改組されたBAEシステムズによりデータ処理システム、サーチウォーター・レーダーシステムが開発された。 当初の採用予定はMR.2の稼働全機に相当する21機であったが、コストの問題などから19機→12機と段階的に採用数が削減され、最終的には9機まで削減された。最初の生産機は2009年9月10日に初飛行し、2010年3月にイギリス空軍へ引き渡され、2012年の配備に向けて試験が行われていたが、ベースとなった機体の機齢がすでに40年前後に達していたこともあり、当初の想定外に多額な改装費がかかっていたことから、大幅な国防費削減を目指したデーヴィッド・キャメロン政権により計画は2010年10月にキャンセルされ、改装済み・改装中の全機体も2011年1月にスクラップにされた。計画中止の時点で40億ポンドの予算が消費されていた。 その後哨戒機の独自開発は断念し、2015年12月にアメリカ海軍がすでに運用しているP-8を後継機として導入する予定。
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