MDX データ型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/30 03:42 UTC 版)
「MDX (問い合わせ言語)」の記事における「MDX データ型」の解説
MDXには主に6つのデータ型がある。 スカラー - スカラーは数値または文字列。リテラルとして指定できる。例として数値5や文字列"OLAP"のようなリテラル、あるいは Aggregate (数値)、 UniqueName (文字列)、 .Value (数値または文字列)のようなMDX関数の戻り値など。 ディメンション/階層 - OLAPキューブのディメンション。ディメンションは、キューブ内のメジャーや属性情報を構成するもの。MDXはディメンション間の依存関係を認識、想定せず、それらが相互に独立しているとみなす。ディメンションには、レベルを含むいくつかの階層または階層に編成されたいくつかのメンバー(以下を参照)が含まれ、一意の名前で指定できる。例として [Time] あるいは .Dimension のようなMDX関数の戻り値。階層はOLAPキューブのディメンション階層であり、一意の名前で指定できる。例として [Time].[Fiscal] あるいは .Hierarchy のようなMDX関数の戻り値。階層はディメンション内に含まれる。(OLEDB for OLAP MDX仕様では、ディメンションと階層のデータ型が区別されない。MicrosoftAnalysis Servicesなどの一部の実装では、それらの扱いが異なる。) レベル - レベルはディメンション階層のレベルであり、一意の名前で指定できる。例として [Time].[Fiscal].[Month] のような一意な値、あるいは .Level のような関数の戻り値。 メンバー - メンバーはディメンション階層のメンバーであり、一意の名前で指定できる。例として [Time].[Fiscal].[Month].[August 2006] 、 [Time].[Fiscal].[2006].[Q3].[August 2006] のような修飾名、あるいは .PrevMember, .Parent, .FirstChild のようなMDX関数の戻り値。すべてのメンバーは階層ごとに固有のものでであることに注意。同一のものが2つの異なる階層([Product].[ByManufacturer] and [Product].[ByCategory])のメンバーである場合、セットとタプルで調整する必要のある2つの異なるメンバーが表示される可能性がある(以下を参照)。 タプル - タプルは、異なるディメンションの1つ以上のメンバーの順序付けられた集まりである。タプルはメンバーを列挙することで指定できる。例として ([Time].[Fiscal].[Month].[August], [Customer].[By Geography].[All Customers].[USA], [Measures].[Sales]) あるいは .Item のようなMDX関数の戻り値。 セット - セットは、同じディメンション、またはMicrosoftの実装の場合は階層のタプルの順序付けられた集まりである。タプルを列挙して指定できる。例として {([Measures].[Sales], [Time].[Fiscal].[2006]), ([Measures].[Sales], [Time].[Fiscal].[2007])} あるいは Crossjoin 、 Filter 、 Order 、 Descendants のようなMDX関数の戻り値など。 その他のデータ型 - メンバープロパティは、データウェアハウスの意味での「属性」に相当する。これらは、クエリ(問い合わせ)の軸のPROPERTIES句を使用して、クエリの文内の名前で取得できる。一部のメンバーのメンバープロパティのスカラーデータ値は、プロパティに名前を付ける(例として [Product].CurrentMember.[Sales Price] )か、または特別なアクセス関数(例として [Product].CurrentMember.Properties("Sales Price") )を使用することでMDXからアクセスできる。状況によっては、MDXは他のデータ型も許可する。例として配列を SetToArray 関数内で使用して、MDXによって処理されずにActiveXライブラリ内のユーザー定義関数へ渡される配列を指定できる。その他、Microsoftの MeasureGroupMeasures 関数のメジャーグループ名やMicrosoftの KPIValue や KPIGoal 関数といったデータ型もある。
※この「MDX データ型」の解説は、「MDX (問い合わせ言語)」の解説の一部です。
「MDX データ型」を含む「MDX (問い合わせ言語)」の記事については、「MDX (問い合わせ言語)」の概要を参照ください。
- MDX データ型のページへのリンク