M1923
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 02:51 UTC 版)
「トンプソン・サブマシンガン」の記事における「M1923」の解説
トンプソンが想定していた小型機関銃のコンセプトは、小銃弾を使用するものであり、M1921に使用された.45ACP弾(480J)のパワーと、有効射程が50ヤードしかなかったM1921の射程は、軍用として力不足なものだった。しかし、ブリッシュ・ロック方式の閉鎖機構は、その主要部品に真鍮製のロッキング・ピースを用いており、強烈な腔圧を発生させる当時のフルサイズ小銃弾には不向きな事が判明していたため、.45ACP弾の薬莢長を3mm延長して威力を増大した.45レミントン・トンプソン弾(.45 Remington-Thompson)(1,590J)が新規に開発され、これを用いるM1923が試作された。.45レミントン・トンプソン弾は.45ACP弾の3倍ものエネルギーを持ち、後に開発された.44マグナム弾に近いパワーを有し、至近距離で杉板15枚、300ヤードで8枚を貫通したとされる。.45レミントン・トンプソン弾はテストの結果.45ACP弾よりも精度が悪い事が判明し、市販されずに終わった。M1923はM1921より約10cm銃身が延長され、軍用に適した水平フォアグリップが装着されていたほか、強くなった反動を制御するために連射速度は400発/分程度まで遅延されていた(参考画像)。銃剣用に着剣装置が付けられたタイプや、二脚を付けた軽機関銃タイプも試作されて米軍向けのプレゼンが行われたが、既にBARが採用されていた事もあり、採用には至らなかった。そのスタイルは後の軍用モデルであるM1928A1やM1/M1A1へ継承された。
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