JR西日本福知山線脱線事故と速度照査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 16:20 UTC 版)
「速度照査」の記事における「JR西日本福知山線脱線事故と速度照査」の解説
107名の死者を出したJR福知山線脱線事故は、速度照査の重要性を浮彫りにした。事故以前の福知山線にはATS-SWのみが導入されていたが、事故現場の曲線では速度照査を行なっていなかった。 事故の重大性及び社会に与えた影響などから国土交通相は、事故復旧完了後の運転再開の条件として福知山線に対しATS-Pの設置を条件としてJR西日本に勧告した。JR西日本はこの勧告に従い、運転再開(2005年6月19日)と同時に、尼崎-新三田間にATS-P(拠点P方式)が導入され、急曲線の多くに対しては併せて、ATS-PおよびATS-SWの速度照査地上子が設置された。 なおJR西日本に設置された速度制限ATS-P地上子の多くで、社内でのATS-P設定仕様の不徹底によりJR西日本制定の車種別の上限速度加算設定が行われず、パターン上限速度の設定値を誤ってJR共通方式=東日本方式で設定していたものが路線単位で多数あり、福知山線は丸ごとJR共通方式で設定されて多くの誤設定(加算速度0)を生じたが、対象車両がなくここでは実害は生じていなかった。また高速危険側の偶発誤設定も少なからずあって後に改修された。また曲線速照の義務化によりJR西日本ATS-Pの車種別制限差加算方式は全JR共通方式とされた。 運転再開後もATS-SWの速度照査地上子を設置したのは、ATS-Pを搭載していない列車が多く運行されているためである。ATS-Pを搭載していない車両は主に、JR西日本の特急列車(ATS-SW搭載)である。
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