フィスチュラ(産科ろう孔)
フィスチュラは予防や治療が可能な産科ろう孔であり、その原因は性的乱暴、レイプ、危険な中絶による合併症、外科的トラウマ(帝王切開術時の膀胱の損傷)、女性性器切除(Female Genital Cutting;FGC,Female Genital Mutilation;FGM)による後遺症などによって膣-膀胱間、膣-直腸間に生じた異常な穴で、両者が通じていることにより尿や便が漏出する。そのため家族や社会から見離され、そのような状態になったことを責められたりする。このようにフィスチュラは女性や少女を身体的・精神的・社会的に苦しめている。まず女性や少女を性的暴力、レイプ(紛争地域・難民キャンプ)から守らなければならない。また、専門技能者(SBA)による分娩介助の推進も必要である。さらに危険な中絶を避けるために、望まない妊娠の防止、正しい避妊の情報とサービスの提供等が重要である。女性性器切除の後遺症によるフィスチュラも、女性の健康生活に影響を及ぼす。フィスチュラがあることにより、結婚時の性交障害、分娩時の分娩遷延や分娩停止、産褥時の大出血(時には死に至る)等、女性のリプロダクティブ・ヘルス・ライツを脅かすものである。UNFPAやUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)が撲滅に向けて活動を行っている。
(丹野かほる)
参考URL:UNFPA(国連人口基金)http://www.unfpa.org/mothers/fistula.htm
瘻孔
(Fistula から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/27 00:55 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動瘻孔(ろうこう、英: fistula)とは、血管、腸、または他の管腔臓器間などで、体内と体外との間、2つの中空空間(厳密には2つの上皮化された表面)の間の異常な接続のこと。 瘻孔は通常怪我や手術によって引き起こされるが、感染や炎症によっても起こる[1]。瘻孔は一般的には病状を指すが、治療上の理由から外科的に発生させることもある。
植物学では、形容詞形で最も一般的であり、中空または管状構造によって区別される種を指すための二項命名法で使用される。 例えば、ヤグルマハッカ(Monarda fistulosa)は管状の花を持っている[2]。Eutrochium fistulosumは管状の茎を持っている。 ネギ(Allium fistulosum)は中空または管状の葉をもち、Acacia seyal ssp. fistulaは中空の棘を持つ亜種。
概要
原因としては炎症が多いが、ほかに先天性耳瘻孔のように先天性奇形によるもの、口蓋瘻のように外傷や医原性に発生するものもある。また、嚥下が不可能な患者に対する栄養剤の注入のための胃瘻や、消化管内腔の減圧等を行うために人工的に造設される、皮膚から直接消化管へ繋がる穴のことも指す。
日本では、特に児童出産に伴い発症する産科瘻孔(Fistula of vagina to large intestine、Vesicovaginal fistula)を、フィスチュラと呼ぶ[3]。
関連項目
参考文献
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- 高田隆他 『口腔病理アトラス』 文光堂 2006年 ISBN 4830670037
脚注
- ^ MedlinePlus Encyclopedia Fistula
- ^ Identification of Monarda fistulosa subpage of Discover Life, 2014.
- ^ フィスチュラ:蝶(ちょう)のように羽ばたいて―傷ついた女性の人生を回復するためのMSFの取り組み 国境なき医師団
外部リンク
- Fistulaのページへのリンク