FIRST CHOICE LAST STANCEとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > FIRST CHOICE LAST STANCEの意味・解説 

FIRST CHOICE LAST STANCE

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/05 16:38 UTC 版)

FIRST CHOICE LAST STANCE
Suchmosシングル
リリース
規格 シングル
ジャンル J-POP
ロック
ジャズ
アシッドジャズ
ヒップホップ
時間
レーベル F.C.L.S.
作詞・作曲 HSU (作詞#1)
YONCE (作詞#2)
Suchmos (作曲)
プロデュース Suchmos
Suchmos シングル 年表
A.G.I.T.
(2016年)
FIRST CHOICE LAST STANCE
(2017年)
808
2018年
ミュージックビデオ
「WIPER」 - YouTube
テンプレートを表示

FIRST CHOICE LAST STANCE」(ファースト・チョイス・ラスト・スタンス)は、日本ロックバンドSuchmosの1作目のシングル

概要

彼らが立ち上げたレーベルF.C.L.S.からの第1弾作品として2017年7月5日に発売。初回仕様限定盤は、レーベル名である作品タイトルの頭文字で『F.C.L.S.』と型抜きされた特殊仕様ジャケットとSuchmosロゴのステンシルシートが封入される。

背景

Suchmosは、2017年3月から4月にかけて2枚目のスタジオ・アルバムTHE KIDS」を携えて全国ツアー「TOUR THE KIDS」を行った。4月27日に新木場STUDIO COASTで開催されたその追加公演「"TOUR THE KIDS" EXTRA SHOW」のなかで、ソニー・ミュージックレーベルズとアーティスト専属契約を結び、自らの所属レーベル「F.C.L.S(エフ・シー・エル・エス)」を発足させたことを発表した[1]。そして、6月5日に自主レーベルの第1弾作品としてシングル「FIRST CHOICE LAST STANCE」の発売が発表された[2]

すでにライブで披露されていた「WIPER」と新曲「OVERSTAND」の2曲が収録されている[2]。ボーカルのYONCEによるとレーベル設立第1弾作品としてこの2曲を選んだのは、特に深い意味はなく、その時に完成していたのがこの2曲だった。しかし、歌詞ではYONCEとHSUがそれぞれ今感じていることを言葉にしており、それが作品になったということから今回が発表の然るべきタイミングだったろうし、意味は後から付いてくるだろうとも語っている[3]。曲の制作は「THE KIDS」のレコーディングを終えた後、すぐに始まった。2016年11月に休暇を利用してバンドメンバー全員でグアムに行き、帰国後、最初のリハーサルで出来たのが「OVERSTAND」だった。同曲はYONCE曰く「MINT」にも通じる雰囲気があり、サビのスタジアム・ロック的なメロディー、レゲエのようなベースラインと土着的なリズムなど、その時のバンド内のトレンドが上手いバランスで混合されている[3]。「WIPER」は曲の雛形が出来たのは2017年1月末から2月頭にかけてのジャム・セッションだった。ベース鍵盤のムーグがユニゾンしているフレーズを繰り返し演奏しているうちにメロディーが思い浮かび、それがサビになり、さらにそのサビに肉付けすることで曲が形になった。曲が展開していくアレンジは「THE KIDS」の楽曲の流れを汲んでいる。歌詞はTOUR THE KIDSが始まる少し前にHSUが書き上げ、レコーディング前にして、ツアーのセットリストに加え、ライブで演奏を重ねていった。「WIPER」という題名は自動車ワイパーテレビ番組でよく見られるワイプダブル・ミーニングである[3]。 また、「OVERSTAND」は2017年10月からソニー「ノイキャン・ワイヤレス」のCMソングに起用され、本人たちも出演した。

批評家の反応

CINRA.NETの編集者・矢島は、「最初に決めたスタンスを最後まで」といったタイトル通り、反骨精神とピースを願う心は今作でもはっきりと貫かれているとコメント[4]ロフトプロジェクト発のメディアRooftopの岡田健吾は、特に2曲目の「OVERSTAND」はもがき抗い続ける気持ちをクールに歌ったスローナンバーになっていて、強い気持ちを感じるとコメントコメント[5]ロッキング・オンの三宅正一は、「WIPER」について、2枚目のアルバム「THE KIDS」で押し広げた強大なスケールを誇るロックモードをさらに研ぎ澄ませた、「OVERSTAND」については、クールにレイドバックしたアンサンブルで胆力に満ちたアンセムを響かせるとコメント[6]。同サイトの小野島大は、「WIPER」について、跳ねるようなタフなビートと、YONCEのハイトーンを使ったボーカルが相まって強烈なグルーヴを生む、韻/語感/発声/譜割などが相乗して作り出される心地好さと違和感のバランスが実に巧みなダンスナンバー、「OVERSTAND」は彼らの優しさと繊細さ、このバンドのスケールと奥深さを端的に示す名曲とコメント。両曲とも「楽曲にも歌詞にも新しいアイディアやセンスが盛り込まれ、バンドの現在形を見事に示している。」と評価した[7]

BELONG Mediaの桃井かおる子は、「WIPER」について出だしのギターはそれまでにないロックな一面を感じさせるが、クラブミュージック調のシンセ音とスクラッチ音が重なって、持ち味であったシンプルなサウンドが損なわれているのが勿体ないとコメント。加えて、ボーカルは今までよりも半音高いキーで歌っているが、ボーカルパートのメロディとYONCEの歌声が上手くはまっていない、歌詞がYONCEが自ら書いたものではなく、HSUが書いたものを歌っているせいか、借り物の言葉を歌うことで彼らの武器であった等身大のメッセージ性が薄れてしまうのではないかと指摘した。2曲目の「OVERSTAND」は、韻を踏んでいる節はほとんどなく、Suchmosの楽曲としては珍しく、歌詞がはっきり聞き取れるとコメント。曲の展開も桑田佳祐のソロ曲を思わせる所もあり、ロックと言うより歌謡曲に近く新境地と評価した。桃井はこの2曲から彼らの意志を反映するような新たな一面が垣間見られるものの、リスナーにとってこれからどんな音楽をやっていくのか分からなくもさせると指摘した[8]

宣伝活動

2017年6月26日発売の雑誌「AERA」の表紙に登場。Suchmosが同誌に登場するのはこれが初。撮影は2016年から同誌の表紙を手掛けている蜷川実花によるもので、渋谷スクランブル交差点で行われた。誌面ではフィクションライターの三宅玲子による彼らについてのテキストが掲載される[9]

2017年7月3日からJR渋谷駅ホームと原宿駅の通路に広告を掲出。シングル発売日の7月5日からバンドと縁のある若手イラストレーター6人(YUGO.、MOTTY、透明回線、217(nina)、WHOLE9、SAYORI WADA[10])がグラフィックを描き足し、アートギャラリー化した[11]。シングルにSuchmosのロゴステンシルシートが同封されていることを宣伝する為に、渋谷スクランブル交差点のビジョン3基の映像、裏原宿のストリートポスター、HMV&BOOKS TOKYO、タワーレコード渋谷店、SHIBUYA TSUTAYAなど各CDショップの店頭、「ELLE online」などのウェブページ、放送局や楽器店などのTwitterのアイコンにもステンシルシートを使ってスプレーしたSuchmosのロゴが出現した[11][12]

収録曲

全作曲: Suchmos。
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.「WIPER」HSUSuchmos
2.「OVERSTAND」YONCESuchmos
合計時間:

チャート

チャート(2017年) 最高
順位
Billboard Japan Single sales[13] 6
オリコン週間[14] 4
オリコン ROCK[15] 1

「WIPER」

チャート(2017年) 最高
順位
Billboard Japan Hot 100[16] 7
Billboard Japan Radio Songs[17] 1

脚注

  1. ^ “Suchmosが全国ツアーファイナル公演で新レーベル『F.C.L.S.』ローンチを発表”. Billboard Japan. (2017年4月28日). https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/50428/2 
  2. ^ a b “Suchmos、自主レーベルより7月に第1弾作品リリース”. 音楽ナタリー. (2017年6月5日). https://natalie.mu/music/news/235429 
  3. ^ a b c YONCE(インタビュアー:小野田雄)「Suchmos『FIRST CHOICE LAST STANCE』自主レーベルからの第1弾作品を通じて提示する、バンドのスタンスと最新モード」『MiKiKi』http://mikiki.tokyo.jp/articles/-/146172017年7月6日閲覧 
  4. ^ “今週の編集部まとめ”. CINRA.NET. (2017年7月3日). https://www.cinra.net/summary/20170703-cinramatome 
  5. ^ “Suchmos / FIRST CHOICE LAST STANCE”. ルーフトップ. (2017年7月3日). https://rooftop1976.com/review/music/170703123219.php 
  6. ^ “今週の一枚 Suchmos『FIRST CHOICE LAST STANCE』”. ロッキング・オン. (2017年7月7日). https://rockinon.com/news/detail/163342 
  7. ^ “期待しかない新天地”. ロッキング・オン. (2017年7月7日). https://rockinon.com/disc/detail/163271?rtw 
  8. ^ “【Review】Suchmosというブランドを確立できるか、勝負作『FIRST CHOICE LAST STANCE』”. BELONG Media. (2017年7月9日). https://belongmedia.net/2017/07/09/%E3%80%90review%E3%80%91suchmos%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%92%E7%A2%BA%E7%AB%8B%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B%E3%81%8B%E3%80%81%E5%8B%9D%E8%B2%A0%E4%BD%9C/?utm_content=buffer283ac&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer 
  9. ^ “Suchmosが「AERA」表紙に初登場、撮影は蜷川実花”. 音楽ナタリー. (2017年6月23日). https://natalie.mu/music/news/237950 
  10. ^ “Suchmosが仕掛けた「渋谷・原宿ジャック」の全貌を振り返る”. CINRA.NET. (2017年8月4日). https://www.cinra.net/report/201708-suchmos 
  11. ^ a b “Suchmosの新作広告がキャンバスに バンドロゴも各所に出現中”. オリコン. (2017年7月5日). https://www.oricon.co.jp/news/2093657/full/ 
  12. ^ “Suchmosの広告をキャンバスに、若手イラストレーターたちが一夜にして渋谷駅ホームをギャラリー化。”. ルーフトップ. (2017年7月5日). https://rooftop1976.com/news/2017/07/05182853.php 
  13. ^ Billboard Japan Top single sales”. Billboard Japan (2017年7月13日). 2017年7月17日閲覧。
  14. ^ “7/17付週間シングルランキング1位はHey! Say! JUMPの「Precious Girl/Are You There?」”. オリコン. (2017年7月13日). https://www.oricon.co.jp/news/2093997/full/ 2017年7月12日閲覧。 
  15. ^ 週間 ROCKシングルランキング2017年07月17日付”. オリコン (2017年7月13日). 2017年7月17日閲覧。
  16. ^ Billboard Japan Hot 100”. Billboard Japan (2017年7月13日). 2017年7月17日閲覧。
  17. ^ “Billboard Japan Radio songs”. Billboard Japan. (2017年7月13日). https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=radio_songs&year=2017&month=07&day=17 

「FIRST CHOICE LAST STANCE」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「FIRST CHOICE LAST STANCE」の関連用語

FIRST CHOICE LAST STANCEのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



FIRST CHOICE LAST STANCEのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのFIRST CHOICE LAST STANCE (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS