EVAチップによるICE
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/01 15:37 UTC 版)
「インサーキット・エミュレータ」の記事における「EVAチップによるICE」の解説
CPUメーカーでは、評価用チップ(evaluation chip)と呼ばれる、確実な動作までは保証しないが概ね量産品と似たようには動くレベルの試作品の半導体を、大口顧客である電子機器メーカーへ提供することで、量産出荷前に最終製品の開発を始められるようにすることが多い。 CPUメーカーでもこの評価用チップ上にデバッグ回路を作り込むことで、社内での半導体の検証作業を行うことが多く、こういったチップを顧客へ提供し、多少の外部回路と操作用ソフトウェアを加えることで、ICEに似た動作が行えた。これが「EVAチップ」と呼ばれるものであり、1980年代から2000年までの間は、フルICE製品に代ってこのような、ある種のニッチな需要に対する開発装置が製造されて販売されていた。 古典的なものを含めたフルICEやEVAチップを使用したICEも、ともに開発環境として使用するには最強と言えるが、 高価格である 特定のCPUにしか対応できない 高速化したCPUでは外部に信号線を引き回すことが難しい 組み込みシステムではASICを採用する例が多くなってきており、ICEを使用できない といった事情により、1980年代中ごろから徐々に、特に高速で高性能なCPU用としてはICE製品そのものが少なくなり、1990年代を通じてEVAチップやそれと同等のチップを用いたICE製品はしだいに少なくなった。
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