D型肝炎の診断法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/15 10:19 UTC 版)
「D型肝炎ウイルス」の記事における「D型肝炎の診断法」の解説
2008年現在、D型肝炎かどうかの診断は、B型肝炎かどうかの診断に用いられる免疫学的手法が応用されている。 D型肝炎ウイルスがエンベロープに持っているHBs抗原の他に、D型肝炎ウイルス自身がコードしているδ抗原と、ヒトが産生したδ抗原に対する抗体が血清から検出された場合、そのヒトはD型肝炎(δ肝炎)に罹患していると診断される。 ちなみに、この抗原や抗体は、ELISA(酵素免疫測定法)などによって検出する。 この他、D型肝炎ウイルスのRNAが血清中に検出されることもある。 また、肝臓の組織中にもD型肝炎ウイルスのRNAが検出される。 ちなみに、このD型肝炎ウイルスのRNAの検出には、逆転写酵素とPCR法を組み合わせてD型肝炎ウイルスのRNAを増幅する(つまり単純にRNAの本数を増やす)方法などが用いられる。 2009年現在、これらの方法には一長一短あって、PCR法を用いて増幅する検査法は、2009年現在において、最も迅速にD型肝炎を検出できる方法であるものの、先述のELISAを用いてδ抗原やそれに対する抗体などを検出する検査法の方がより確実な診断法とされている。 なお、B型肝炎ウイルスが単独で感染している時とは違って、D型肝炎ウイルスも同時に感染している場合、血清中から検出されるHBs抗原の量が減少する傾向が見られることが知られている。
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