Clidastes propython
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/24 16:43 UTC 版)
「クリダステス」の記事における「Clidastes propython」の解説
C. propython は本属で最も研究が進んだ種であり、それゆえに C. iguanavus に代わって国際動物命名規約からタイプ種に指定された。 C. propython はアメリカ合衆国(アラバマ州・コロラド州・テキサス州・カンザス州・サウスダコタ州)とスウェーデンのカンパニアンから知られている。。最古の標本はカンザス州ニオブララ累層から産出した中期サントニアンのものであり、最も新しい時代のものは中期 - 後期カンパニアンに由来する。これは研究の進んでいない中期カンパニアンの大陸間モササウルス科絶滅事変の時期が一致しており、クリダステスなどの属に重大な影響を与えたと見られる。 Russell (1967)は本種について以下の明瞭な特徴を列挙している。 前上顎骨が水平断面においてV字型をなし、小型である。 前上顎骨の前方に吻が存在する。 第2前上顎骨歯の根元の後腹側部位が上顎骨との縫合表面に露出する。 前上顎骨 - 上顎骨の縫合線が穏やかなカーブを描いて後側に上昇し、第7上顎骨歯の上で末端を迎える。 上顎骨 - 前上顎骨の縫合線が滑らかにキール状をなし、上顎骨の経線方向軸に平行する。 上顎骨歯は16 - 18本である。 頭頂骨の中央背側表面がやや広い。 頭頂孔が小さく、前頭骨との縫合線に近い。 頭頂孔が楕円形をなして腹側へ開き、腹側の径が背側の約5倍である。 前耳骨の前側境界が前耳骨切痕の下で棚状構造をなし、蝶形骨底部で急激に下る。 第VII脳神経のための孔が前耳骨の内壁を通って頭蓋腔に存在する。 上あぶみ骨突起が方形骨に存在する。 歯骨歯は17本である。 また、Russell (1967)では、良好な頭骨要素を持つ標本が C. propython のタイプ標本から形態学的に識別できないとして、多数の断片的なクリダステスの種が C. propython に割り当てられた。現在 C. propython のシノニムとされるかつての種には、C. "cineriarum"、C. "dispar"、C. "velox"、C. "wymani"、C. "pumilus"、C. "tortor"、C. "vymanii、C. "stenops"、C. "rex"、C. "medius"、C. "westi"がいる。
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