CD8+Tリンパ球と細胞傷害性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 09:56 UTC 版)
「獲得免疫系」の記事における「CD8+Tリンパ球と細胞傷害性」の解説
詳細は「細胞傷害性T細胞」を参照 細胞障害性T細胞(TC、キラーT細胞、細胞障害性Tリンパ球(CTL)とも呼ばれる)は、ウイルス(およびその他の病原体)に感染した細胞や、その他の損傷や機能不全を起こした細胞の死を誘導するT細胞のサブグループである。 未感作の細胞傷害性T細胞は、T細胞受容体(TCR)がペプチド結合MHCクラスI分子と強く相互作用する事で活性化される。この親和性は、抗原-MHC複合体の種類と配向に依存し、CTLと感染細胞を結合させるものである。活性化されたCTLは、クローン選択と呼ばれるプロセスを経て、機能を獲得し、急速に分裂して、「武装した」効果細胞の軍隊を作り出す事になる。活性化されたCTLは、MHCクラスI+ペプチドを持つ細胞を探して全身を駆け巡る[要出典]。 活性化したCTLは、感染した体細胞や機能しない体細胞に触れると、パーフォリン(英語版)やグラニュライシン(英語版)という細胞毒素を放出し、標的細胞の細胞膜に孔を開け、イオンや水を感染した細胞に流し込み、細胞を破裂または溶解させる。CTLは、顆粒に包まれたセリンプロテアーゼであるグランザイム(英語版)を放出し、孔から細胞内に入り込んでアポトーシス(細胞死)を誘導する。感染時の組織損傷を抑える為に、CTLの活性化は厳密に制御されており、一般的には非常に強いMHC-抗原の活性化シグナル、またはヘルパーT細胞による追加の活性化シグナルが必要である(以下参照)。 感染が解消されると殆どの効果細胞が死滅し、食細胞がそれを除去するが、これらの細胞の内数個は記憶細胞として残る。後日、同じ抗原に遭遇すると、この記憶細胞は速やかに効果細胞に分化し、効果的な反応を起こすのに必要な時間を劇的に短縮する事が出来る[要出典]。
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