B階段を使って避難した2人の女性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 22:45 UTC 版)
「千日デパート火災」の記事における「B階段を使って避難した2人の女性」の解説
B階段を使って避難できた2人のうち、クローク係の女性は、エレベーターホールに白煙が漂っているのを感じ、隣の電気室にいる電気係にそのことを知らせた。電気係は現状を知らせようとホール内へ向かっていった。その直後にA南エレベーターから噴き出す煙の量が急激に増してきて、数メートル先も見えない状況に陥ったために、クローク係の女性は危険を感じてすぐにB階段から避難した。クローク係の女性は、自分の持ち場のすぐ後ろに避難階段があることをあらかじめ知っており、さらにはクロークがB階段に直結していたことが幸いし自力で脱出できた。またその数分後にもう1人のB階段を使って避難に成功したホステスは、接客中に煙の流入に気付いて客席からレジに向かったが、店内放送で「落ち着いてください」と流れたため、元の客席に戻ってしばらく座っていたが、煙に巻かれたため避難することにした。猛煙と停電による暗闇の中、手探りでフロアを進み、男性用トイレと女性用トイレに交互に入って嘔吐したり、ハンカチを水に濡らして口に当てたりした。そして壁伝いにエレベーターホールに出て、なんとかB階段にたどり着き、無事に地上へ脱出できたという。この女性が猛煙と熱気、暗闇の恐怖に晒されながらもB階段を目指せたのは、普段から退勤時にエレベーターを使わず「健康のために」という理由でB階段を利用していたからであり、事前に持っていた情報が自力脱出の成功に大きな影響を与えた。
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