AMPV (装輪装甲車)

ウィキペディア

AMPV (装輪装甲車)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2024/04/29 15:09 UTC 版)

この項目では、ドイツの装輪装甲車について説明しています。アメリカ合衆国の装軌式装甲戦闘車両については「AMPV」をご覧ください。

AMPV
ポーランド軍特殊部隊向けのAMPV
種類	装輪装甲車/歩兵機動車
原開発国	ドイツ
運用史
配備先	ドイツ連邦軍（運用試験） [1]
開発史
開発者	RMMV、KMW、 ポルシェ[2]
開発期間	2007年[1]
製造業者	RMMV、KMW[1]
諸元
重量	10,000 kg (全備重量) 7,800 kg (乾燥重量)[2]
全長	5.66 m [2]
全幅	2.3 m [2]
全高	2.18 m [2]
要員数	運転手 + 乗員4名[2]
装甲	複合装甲[2]
エンジン	Steyr M16SCI, 3.2-litre,[3] 6気筒直列モノブロック水冷ディーゼル[4]
搭載容量	2,200 kg
懸架・駆動	ダブルウィッシュボーン式[3]
行動距離	435 mi (700 km)(積載状態)[3]
速度	68 mph (109 km/h)[3]
テンプレートを表示

AMPV (Armoured Multi-Purpose Vehicle) は、2000年代後半にドイツ連邦共和国のラインメタル・マン・ミリタリー・ヴィークルズ（英語版）（RMMV）とクラウス＝マッファイ・ヴェクマン（KMW）の合弁事業として開発された装輪装甲車（歩兵機動車）である。

設計段階でドイツ連邦軍のアフガニスタン国際治安支援部隊（ISAF）での経験等を考慮されており、AMPVは同クラスの車両の中でも最も高いレベルの防御力を持つと考えられている^[1][5][6]。

概要

AMPVはドイツ連邦軍の装甲装輪指揮車両調達プログラム（GFF）の要求仕様に基づいて2007年に開発が開始され、2009年に試作車が完成し、2011年にドイツ連邦軍による評価試験が実施された^[2]。

AMPVは様々な顧客の要求を満たすため、共通するプラットフォームで複数の車格を持つ軍用車両ファミリーとして考案され、車両重量5.3トンのタイプ1Aおよびタイプ1B、車両重量9.2トンのタイプ2Aおよびタイプ2Bの車両が計画された。その後の要求仕様の変化により、タイプ2の車両のみが実際に製造され、車両重量は10.1トンに増加した^[5]。

AMPVの試作車は2010年にチリで高地テストを受け、標高4,800m級のルートを総計2,800km走行した^[2] 。2015年までに、様々な地形で総計30,000kmの走行テストを受けている。

2015年に特殊部隊向けのAMPVが発表され、ポーランド軍特殊部隊での評価が行われた^[7]。この試作車両には、ポーランドのタルヌフ機械工場で開発されたZSUM-127コブスRWSが装備されていた^[6]。

脚注

1. ^ ^{a b c d} “Armoured Multi Purpose Vehicle (AMPV)”. 2015年9月8日閲覧。
2. ^ ^{a b c d e f g h i} “Armoured Multi Purpose Vehicle (AMPV)”. IHS Jane's Christopher F. Foss (2014年12月19日). 2015年8月19日閲覧。
3. ^ ^{a b c d} “AMPV Armoured Multipurpose Vehicle, Germany”. 2015年9月8日閲覧。
4. ^ “AMPV Armoured Multipurpose Vehicle; Steyr M16 SCI”. 2015年9月8日閲覧。
5. ^ ^{a b} AMPV 4x4 White Paper. Munich, Germany: RMMV. (September 2015). p. 14. 
6. ^ ^{a b} “The Rheinmetall AMPV” (2015年9月10日). 2015年9月10日閲覧。
7. ^ “AMPV – The German Offer Of A Multi-Purpose Vehicle” (2015年7月1日). 2015年9月8日閲覧。

関連項目

• AMPV - 同じ名称のアメリカ軍向け装軌式装甲戦闘車両
• ATFディンゴ / LAPVエノク / ESKムンゴ
• モワク イーグル
• JLTV
• イヴェコ LMV
• ブッシュマスターPMV
• コザック（英語版）

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、AMPV (装輪装甲車)に関連するカテゴリがあります。

表 話 編 歴 第二次世界大戦後のドイツの装甲戦闘車両
○は装輪式・Vは水陸両用型・{}は計画中
戦車	主力戦車 東ドイツ T-34 T-54 T-55 T-72 西/統一ドイツ M47 M48 レオパルト1 レオパルト2 統一ドイツ {MGCS} {KF51} 軽・空挺戦車 東ドイツ VPT-76 西/統一ドイツ M41 ヴィーゼル {リンクス120} 試作 西ドイツ MBT-70 RU251 VT-1
自走砲	榴弾砲 東ドイツ 2S1 2S3 西/統一ドイツ M7 M44 M107 M109 M110 統一ドイツ PzH2000 ○RCH 155（ドイツ語版） 多連装ロケット砲 東ドイツ BM-14 BM-21 BM-24 西/統一ドイツ ○LARS M270 対空砲 東ドイツ ZSU-57-2 ZSU-23-4 西/統一ドイツ M42 ゲパルト 対戦車車両 西/統一ドイツ カノーネンヤークトパンツァー ラケーテンヤークトパンツァー ヤグアル1 ヤグアル2 試作 西/統一ドイツ ○ワイルドキャット ドーナル（AGM砲塔）
装甲車	装甲兵員輸送車 東ドイツ ○BTR-40 VSPW-50 ○SPW-60 ○SPW-70 ○BTR-152 西/統一ドイツ M113 ○UR-416 ○TM-170 ○フクス ○コンドル 統一ドイツ ○ボクサー Bv 206S 歩兵戦闘車 東ドイツ BMP-1 BMP-2 西/統一ドイツ SPz 11-2 HS.30 マルダー 統一ドイツ プーマ {リンクス} 偵察戦闘車 東ドイツ ○BRDM-1 ○BRDM-2 西/統一ドイツ ○ルクス ○フェネック 歩兵機動車 統一ドイツ ○ディンゴ ○サーバル ○LAPV ○ESK ○イーグルIV/V ○AMPV 試作 西ドイツ VTS-1
支援車両	装甲回収車 西/統一ドイツ ベルゲパンツァー1 ベルゲパンツァー2（ドイツ語版） ベルゲパンツァー3（ドイツ語版） 架橋戦車 西/統一ドイツ ブリュッケンレーゲパンツァー（ドイツ語版） パンツァーシュネルブリュッケ（ドイツ語版） 戦闘工兵車 西/統一ドイツ ピオニールパンツァー2（ドイツ語版） コディアック（英語版）
ドイツ陸軍 (ドイツ連邦軍) / 国家人民軍地上軍