3D印刷技術の先端都市へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/30 23:26 UTC 版)
「ヤングスタウン (オハイオ州)」の記事における「3D印刷技術の先端都市へ」の解説
そんな中で、2012年には国家主導の3D印刷による新世代ソフトウェアの研究開発施設、National Additive Manufacturing Innovation Institute(NAMII)の拠点として選ばれたことで、大きく全米の注目を浴びている。これはヤングスタウン州立大学などと連携し優れた技術者を育成、将来的に同市を3D印刷による新世代ソフトウェア開発技術の一大拠点として発展させるとともに、衰退著しかった同市の再生も睨んでいる(これは、衰退都市再生のモデル事業としての意味も持っているため)。この事業は既に始まっており、同市近郊の出身であったシーメンスCEOが研究開発の資金として、ヤングスタウン州立大学に約400万ドルを寄附するなど官民一体となった動きが盛んである。また、廃墟同然であった工業団地の一帯がソフトウェア、素材工場として稼働、新たなベンチャー企業も生まれ、そして新たな雇用を生み出し、2014年には更に新たに15の施設が設けられるようになった。その結果、2008年には17%に上っていた全米屈指の失業率は2014年で7.2%まで減少しており、それに伴い貧困に端を発する犯罪率も大幅に減少している。また、物価、生活費の安さなどから、他地方から新たに移り住む人も見られるようになり、住宅リフォームも盛んに起こっており、古い市街地にも人口が戻ってきた。それまで5年間で平均5%以上の減少率を見せていた市域人口も2010年から2015年の人口減少率はかなり下がっており、下げ止まりの兆しも見せている。また、ラストベルトの象徴として、ドナルド・トランプの政策に対し高い期待を寄せていたことで、新政権発足時以降、突発的ながら市内で好景気が起こり、雇用機会も増大した。しかし、その一方で、労働力人口の低い就労意欲や後に発覚した高い薬物依存率が浮き彫りになっており、まだまだ問題も山積している。
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