36ビットアーキテクチャ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 03:24 UTC 版)
「36ビット」の記事における「36ビットアーキテクチャ」の解説
科学技術計算市場向けの初期の多くのコンピュータは、36ビット ワード長を持った。このワード長は、正および負の十進数の10桁を正確に表現することができる(最小は35ビットである)。また、6ビット文字コードの6つの英数字を格納することができる。 コンピュータが登場する前は、精密科学や工学計算での標準的な表現は10桁であり、FridenやMarchant、Monroeなどが製造する電動機械式計算機でも同様であった。これらの計算機では各桁に対応してキーのカラムがあり、操作員は数値入力時は全ての指を使うよう訓練されたため、カラム(桁数)を増やすのは実用的には10が限界だった。 コンピュータはそのような計算機のライバルとして登場し、さらに正確であった。世界で最も初期のコンピュータであるENIACと同様に、当時販売された10進方式のコンピュータはIBM 650やIBM 7070など、10桁のワード長であった。 36ビットワードのコンピュータには以下がある。 MIT リンカーン研究所 TX-2 IBM 701/704/709/7090/7094 UNIVAC 1103/1103A/1105/1100/2200 GE 600 Honeywell 6000 ACOS-6 DEC PDP-6/PDP-10(DECsystem-10/DECSYSTEM-20) Symbolics 3600シリーズ より小型のマシンは18ビットワードを使用し、ダブルワードが36ビットとなった。 PDP-1/PDP-9/PDP-15 EDSAC は17ビットを「短語 (short word)」、35ビットを「長語 (long word)」とする、これと似たアーキテクチャであった。メモリの構造の都合で、間に1ビット挟まる。 これらのコンピュータは、18ビットワードのアドレッシングであり、バイトアドレッシングではない。36ビットワードで218 の約1MBのアドレス空間を持つ。これは多くのコンピュータでは当初、物理的なメモリーの上限と同様に、上限となった。しかし後に、セグメント方式や他の方式で、より広い仮想記憶がサポートされ、制約は緩和された。 IBMのSystem/360発表までには、科学技術計算は浮動小数点演算に移行し、機械式計算機はもはや競争相手ではなくなった。System/360は商用計算用に可変長の10進数演算の命令を持ち、急速に普及した。
※この「36ビットアーキテクチャ」の解説は、「36ビット」の解説の一部です。
「36ビットアーキテクチャ」を含む「36ビット」の記事については、「36ビット」の概要を参照ください。
- 36ビットアーキテクチャのページへのリンク