2011 Valencian Community motorcycle Grand Prixとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 2011 Valencian Community motorcycle Grand Prixの意味・解説 

2011年のバレンシアグランプリ

(2011 Valencian Community motorcycle Grand Prix から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/31 16:21 UTC 版)

  2011年のバレンシアグランプリ
レース詳細
2011年のロードレース世界選手権 全18戦中第18戦
決勝日 2011年11月6日
開催地 バレンシア・サーキット
開催コース 常設サーキット
4.051km
MotoGP
ポールポジション ファステストラップ
ケーシー・ストーナー アンドレア・ドヴィツィオーゾ
1:31.861 1:34.167
表彰台
1. ケーシー・ストーナー
2. ベン・スピーズ 3. アンドレア・ドヴィツィオーゾ


Moto2
ポールポジション ファステストラップ
ミケーレ・ピロ アンドレア・イアンノーネ
1:37.067 1:39.730
表彰台
1. ミケーレ・ピロ
2. ミカ・カリオ 3. ドミニク・エガーター
125 cc
ポールポジション ファステストラップ
ダニー・ウェブ マーベリック・ビニャーレス
1:45.898 1:42.882
表彰台
1. マーベリック・ビニャーレス
2. ニコラス・テロル 3. エクトル・ファウベル


2011年のバレンシアグランプリは、ロードレース世界選手権2011年シーズン最終戦として、11月4日から6日までスペインバレンシア・サーキットで開催された。

概要

シモンチェリを偲んで

日曜日の決勝レース前、前戦マレーシアGP決勝での事故で亡くなったマルコ・シモンチェリを追悼するセレモニーが開かれた。ライダー達が黙祷を捧げるのが通例だが、今回はマルコの父パオロの「黙祷よりマシンのノイズを息子に捧げてほしい」との意向に沿う形で、生前シモンチェリと仲の良かった往年のチャンピオンライダー、ケビン・シュワンツが駆るシモンチェリのホンダ・RC212Vを先頭に、全3クラスのライダーがサーキットを1周。フィニッシュラインに戻ってきたライダー達はチーム関係者・運営スタッフらと合流し、最後はバレンシア地方の伝統である「マスクレタ」と呼ばれる爆竹の轟音がセレモニーを締めくくった[1][2]

事故後Twitterで「シモンチェリは弟のような存在だった」と語った[3]バレンティーノ・ロッシは、自身とシモンチェリのデザインをミックスしたスペシャルペイントのヘルメットで今回のレースに臨んだ[4]ロリス・カピロッシは普段のゼッケンNo.65に代わり、シモンチェリのNo.58をマシンに付けて自身現役最後のグランプリを戦った[5][6]

125ccクラス

125ccクラスは翌2012年シーズンより4ストローク250ccのMoto3クラスに代わることから、今回が63年の歴史に幕を下ろす最後のレースとなった。また同クラスの終焉に伴い、グランプリから2ストロークのエンジンサウンドが消えることとなった[7]

最終戦までもつれ込んだチャンピオン争いは、ニコラス・テロルヨハン・ザルコに対し20ポイントのリードを築いており、ザルコが勝ったとしてもテロルは11位以上のフィニッシュでチャンピオンになれる有利な状況となっていた[8]。雨の中おこなわれた土曜日の予選では、マヒンドラを駆るダニー・ウェブが初のポールポジションを獲得する波乱が起きた。2番手には自身ベストグリッドとなるルイ・ロッシ、3番手にはザルコが入ってフロントロウを確保した。一方のテロルはシーズン自己最低の9番グリッドからのスタートとなった[9]

日曜日の決勝レースでは、3周目にザルコがシーズン初となる転倒リタイヤを喫し、この時点でテロルの125ccクラス最後のワールドチャンピオンが決定した。その後はエクトル・ファウベルが一時独走態勢を築くが、中盤にはマーベリック・ビニャーレスとテロルが追いついて三つ巴のトップ争いとなった。19周目にビニャーレスがトップに立つとスパートをかけて逃げ切りに成功し、シーズン4勝目を挙げて年間ランキング3位の座を勝ち取った。新チャンピオンのテロルは2位でクラス最後のレースを締めくくった[10]

Moto2クラス

Moto2クラスのチャンピオン争いは、首位のステファン・ブラドルを23ポイント差でマルク・マルケスが追う状況となっていた。しかしマルケスは前戦欠場の原因となった左目の視力低下の症状から回復しておらず、医師からは今回も欠場を勧められていた[11]。急速に回復する僅かな可能性にかけてチームと共に現地入りしたが、金曜のセッションを全て欠場。土曜朝のフリー走行を前に予選への欠場を表明したことから、決勝を待たずにブラドルのワールドチャンピオンが確定することとなった[12]

土曜午後の予選では、ミケーレ・ピロが自身初のポールポジションを獲得、僅差の2番手に高橋裕紀が続き、前戦でシモンチェリを失ったグレシーニ・レーシングの2人が活躍を見せた。3番手には自身クラス初のフロントロウとなるミカ・カリオ、新チャンピオンのブラドルは4番手からのスタートとなった[13]

日曜の決勝はドライレースが宣言され始まったが、コースの一部に雨が降る難しいコンディションとなった。序盤は高橋がリードを奪い後続を引き離しにかかっていたが、6周目にハイサイドを起こして激しく転倒、リタイヤに終わった。この結果トップに立ったピロが独走を遂げ、自身グランプリ初優勝を亡きシモンチェリに捧げた。

約6秒差の2位には、ドミニク・エガーターヨニー・エルナンデスとのバトルを制したカリオが入り、クラス初表彰台を獲得した。3位のエガーターは自身グランプリ初の表彰台となった。ブラドルは5周目に転倒リタイヤに終わり、有終の美を飾ることはできなかった[14]

MotoGPクラス

MotoGPクラスでは前戦のシモンチェリの事故で上腕部複雑骨折の重傷を負ったコーリン・エドワーズの代役として、この年のAMAスーパーバイク選手権チャンピオンであるジョシュ・ヘイズがモンスター・ヤマハ・テック3チームからエントリーした[15]。また中須賀克行も前戦に続きホルヘ・ロレンソの負傷代役として出場となった。

土曜日の予選では、新チャンピオンのケーシー・ストーナーが後続に1秒以上の差を付けてシーズン12回目のポールポジションを獲得した。2番手にはダニ・ペドロサ、3番手にはベン・スピーズが続いた[16]

日曜日の決勝はウェットレースが宣言された。スタート直後の1コーナーではアンドレア・ドヴィツィオーゾのリアに接触し転倒したアルバロ・バウティスタに巻き込まれてロッシ、ニッキー・ヘイデンランディ・ド・プニエが次々と転倒する荒れた幕開けとなった。序盤はトップのストーナーが着実にリードを広げ、一時は2番手に10秒以上の差を付けて独走していた。ところが23周目ごろから雨が強くなるとストーナーは急激にラップタイムを落とし、28周目のバックストレート終わりでラインを外した隙を突かれてスピーズがトップに浮上。レース残り2周半は2人のデッドヒートが展開されることとなった。ファイナルラップの最終コーナーはスピーズが前でクリアしたものの、立ち上がりで速さを見せたストーナーがフィニッシュライン直前で再逆転に成功、僅か0.015秒差でシーズン10勝目を挙げた[17]

3位はドヴィツィオーゾ、続いてファイナルラップにペドロサ、カレル・アブラハムとのバトルを制したカル・クラッチローが4位フィニッシュ、自身ベストリザルトを更新すると同時に、アブラハムと争ったルーキー・オブ・ザ・イヤーの座を手中に収めた。ヤマハの代役ライダー2人、中須賀とヘイズはそれぞれ6位・7位に入る健闘を見せた。カピロッシは9位完走で最後のレースを終えた。翌シーズンからのスーパーバイク世界選手権転向が決まっており、今回がグランプリでの当面最後のレースとなった青山博一はマシンのセッティングに苦しみ、ペースが上がらず最下位12位に終わった[18]

MotoGPクラス決勝結果

順位 No. ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 27 ケーシー・ストーナー ホンダ 30 48:18.645 1 25
2 11 ベン・スピーズ ヤマハ 30 +0.015 3 20
3 4 アンドレア・ドヴィツィオーゾ ホンダ 30 +5.936 8 16
4 35 カル・クラッチロー ヤマハ 30 +8.718 11 13
5 26 ダニ・ペドロサ ホンダ 30 +9.321 2 11
6 89 中須賀克行 ヤマハ 30 +23.818 15 10
7 41 ジョシュ・ヘイズ ヤマハ 30 +33.118 16 9
8 17 カレル・アブラハム ドゥカティ 30 +37.952 10 8
9 65 ロリス・カピロッシ ドゥカティ 30 +48.953 12 7
10 24 トニ・エリアス ホンダ 30 +52.501 13 6
11 8 エクトル・バルベラ ドゥカティ 30 +1:06.519 9 5
12 7 青山博一 ホンダ 30 +1:08.760 14 4
Ret 14 ランディ・ド・プニエ ドゥカティ 0 衝突 4
Ret 19 アルバロ・バウティスタ スズキ 0 衝突 5
Ret 46 バレンティーノ・ロッシ ドゥカティ 0 衝突 6
Ret 69 ニッキー・ヘイデン ドゥカティ 0 衝突 7

Moto2クラス決勝結果

順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 51 ミケーレ・ピロ モリワキ 27 46:22.205 1 25
2 36 ミカ・カリオ スッター 27 +6.150 3 20
3 77 ドミニク・エガーター スッター 27 +6.363 7 16
4 13 アンソニー・ウエスト MZ-RE ホンダ 27 +8.843 22 13
5 9 ケニー・ノエス FTR 27 +9.229 23 11
6 68 ヨニー・エルナンデス FTR 27 +9.926 20 10
7 63 マイク・ディ・メッリオ テック3 27 +10.115 9 9
8 19 ザビエル・シメオン テック3 27 +10.385 8 8
9 76 マックス・ノイキルヒナー MZ-RE ホンダ 27 +13.018 24 7
10 60 フリアン・シモン スッター 27 +13.685 21 6
11 29 アンドレア・イアンノーネ スッター 27 +14.686 25 5
12 15 アレックス・デ・アンジェリス モトビ 27 +15.200 5 4
13 16 ジュール・クルーセル スッター 27 +18.428 19 3
14 44 ポル・エスパルガロ FTR 27 +19.177 13 2
15 71 クラウディオ・コルティ スッター 27 +20.356 26 1
16 4 ランディ・クルメナッハ カレックス 27 +26.031 27
17 12 トーマス・ルティ スッター 27 +27.160 6
18 18 ジョルディ・トーレス スッター 27 +33.813 15
19 25 アレックス・バルドリーニ モリワキ 27 +46.003 18
20 54 ケナン・ソフォーグル スッター 27 +49.635 29
21 40 アレックス・エスパルガロ ポンス カレックス 27 +1:12.187 11
22 64 サンティアゴ・エルナンデス FTR 27 +1:14.567 31
23 38 ブラッドリー・スミス テック3 27 +1:15.394 12
24 39 ロベルティーノ・ピエトリ スッター 27 +1:16.767 33
25 82 エレナ・ロセール スッター 27 +1:19.893 35
26 6 ホアン・オリベ FTR 27 +1:22.339 32
27 95 マシェル・アル・ナイミ モリワキ 26 +1 lap 37
28 61 Óscar Climent MIR 26 +1 lap 34
29 96 ナサール・アル・マルキ モリワキ 26 +1 lap 38
30 45 スコット・レディング スッター 26 +1 lap 14
Ret 35 ラファエレ・デ・ロサ スッター 25 アクシデント 28
Ret 3 シモーネ・コルシ FTR 25 棄権 10
Ret 53 バレンティン・デビーズ FTR 20 棄権 30
Ret 14 ラタパー・ウィライロー FTR 13 棄権 36
Ret 75 マティア・パシーニ FTR 10 アクシデント 17
Ret 34 エステベ・ラバト FTR 6 棄権 16
Ret 72 高橋裕紀 モリワキ 5 アクシデント 2
Ret 65 ステファン・ブラドル カレックス 4 アクシデント 4
DNS 80 アクセル・ポンス ポンス カレックス
WD 93 マルク・マルケス スッター

125ccクラス決勝結果

順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 25 マーベリック・ビニャーレス アプリリア 24 41:44.138 8 25
2 18 ニコラス・テロル アプリリア 24 +3.216 9 20
3 55 エクトル・ファウベル アプリリア 24 +7.460 6 16
4 7 エフレン・バスケス デルビ 24 +14.560 13 13
5 94 ジョナス・フォルガー アプリリア 24 +18.451 10 11
6 23 アルベルト・モンカヨ アプリリア 24 +36.472 14 10
7 39 ルイス・サロム アプリリア 24 +52.614 4 9
8 31 ニクラス・アジョ アプリリア 24 +1:00.138 19 8
9 3 ルイージ・モルシアーノ アプリリア 24 +1:00.253 22 7
10 96 ルイ・ロッシ アプリリア 24 +1:03.258 2 6
11 60 マヌエル・タタショア アプリリア 24 +1:09.892 20 5
12 77 マルセル・シュロッター マヒンドラ 24 +1:12.741 23 4
13 19 アレッサンドロ・トヌッチ アプリリア 24 +1:18.337 17 3
14 71 ジョン・マクフィー アプリリア 24 +1:18.434 25 2
15 30 ジュリアン・ペドーネ アプリリア 24 +1:20.580 30 1
16 50 ストゥーラ・ファーガーハウグ アプリリア 24 +1:21.155 21
17 52 ダニー・ケント アプリリア 24 +1:27.770 18
18 56 ピーター・セベスティエン アプリリア 24 +1:33.406 28
19 34 ダニエル・ルイス ホンダ 24 +1:34.593 31
20 53 ジャスパー・イウェマ アプリリア 24 +1:34.832 27
21 40 Marco Colandrea アプリリア 23 +1 lap 33
22 10 アレクシ・マスボー KTM 23 +1 lap 5
23 86 Kevin Hanus ホンダ 23 +1 lap 32
24 84 ヤコブ・コーンフェール アプリリア 23 +1 lap 24
25 63 ズルファミ・カイルディン デルビ 21 +3 laps 15
NC 26 アドリアン・マルティン アプリリア 24 +2:16.952 11
Ret 17 テイラー・マッケンジー アプリリア 18 アクシデント 26
Ret 14 ブラッド・ビンダー アプリリア 17 アクシデント 34
Ret 28 ジュゼップ・ロドリゲス アプリリア 15 棄権 16
Ret 11 サンドロ・コルテセ アプリリア 11 アクシデント 7
Ret 99 ダニー・ウェブ マヒンドラ 11 アクシデント 1
Ret 21 ハリー・スタフォード アプリリア 7 棄権 29
Ret 8 ジャック・ミラー KTM 3 棄権 12
Ret 5 ヨハン・ザルコ デルビ 2 アクシデント 3
DNS 13 フアン・フランシスコ・ゲバーラ アプリリア
DNQ 22 Emil Petersen ホンダ

脚注

参考文献


前戦
2011年のマレーシアグランプリ
ロードレース世界選手権
2011年シーズン
次戦
2012年のカタールグランプリ
前回開催
2010年のバレンシアグランプリ
バレンシアグランプリ 次回開催
2012年のバレンシアグランプリ

「2011 Valencian Community motorcycle Grand Prix」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

2011 Valencian Community motorcycle Grand Prixのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



2011 Valencian Community motorcycle Grand Prixのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの2011年のバレンシアグランプリ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS