1962年のル・マン24時間レースとは? わかりやすく解説

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1962年のル・マン24時間レース

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 22:04 UTC 版)

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1962年のル・マン24時間レース
前年: 1961 翌年: 1963
1962年のコース

1962年のル・マン24時間レース24 Heures du Mans 1962 )は、30回目[1]ル・マン24時間レースであり、1962年6月23日から6月24日にかけてフランスのサルト・サーキットで行われた。

概要

この時代はフェラーリが強く、この年プライベーターも合わせ15台も出走した[2]

ロータスはFJマシンロータス・22を改造してグループ4に合致させた2席スポーツカー、ロータス・23を新たに持ち込んだ[3]。エンジンをミッドシップマウント、繊維強化プラスチック製ボディカウルを採用するなど戦闘力が高かった[3]が、47号車と48号車の2台[注釈 1][注釈 2][注釈 3][注釈 4]について、当初最低地上高が少ないという理由で不合格になった[4]。改善して持って行くと次はホイールボルトが前4本止め後6本止め[4]で前後ホイールのボルト数が違う[3]という理由で不合格にされた[4]。急遽[3]航空便を使って部品を取り寄せ、後輪4本止めにして持って行くと今度は4本止めは安全確保が充分でないという理由で不合格になった[4]。最終的には「ロータス23はル・マン24時間レースの精神に反する」などという曖昧な議論が行なわれた[4]。わけのわからぬ事態の連続でコーリン・チャップマンは激怒して決勝には出場せず[3][注釈 5]、自身の運転により1955年のル・マン24時間レースロータス・マーク6[5]またはロータス・マーク9[注釈 6]の48号車[5]で参加して以来連続出場を続けていたチーム・ロータスは以後のル・マン24時間レース参加を一切取りやめた[4][3]フランス西部自動車クラブ車検係の信用は失墜、「性能指数部門でフランス車を有利にするため故意にロータスを不合格にした」として告訴された[4]

決勝

出走は55台[6][1]

結果

完走は18台[1][6]

オリヴィエ・ジャンドビアン/フィル・ヒル[1][4][6]のフェラーリ・330LM[1]の6号車が24時間で4451.255km[4][2][1][6]を平均速度185.469km/h[2][1][4]で走って優勝した。

性能指数の1位はパナール・ルヴァッソールのSERA-CDディナクーペ、53号車が取得した。

順位 クラス 号車 チーム ドライバー シャシ エンジン 周回数
1 E
+3.0
6 スクーデリア・フェラーリ フェラーリ・330LM フェラーリ・3,960ccV型12気筒 331
2 GT
3.0
19 ピエール・ノブレ
  • ピエール・ノブレ
  • ジャン・ギシェ
フェラーリ・250GTO フェラーリ・2,953cc60V型12気筒 326
3 GT
3.0
22 Equipe Nationale Belge
  • レオン・デルニエ
  • Jean Blaton
フェラーリ・250GTO フェラーリ・2,953cc60V型12気筒 314
4 GT
+3.0
10 ブリッグス・カニンガム
  • ブリッグス・カニンガム
  • ロイ・サルヴァドーリ
ジャガー・Eタイプ FHC ジャガーXK6型3,781cc直列6気筒 310
5 GT
+3.0
9 P.J. Sargent
  • Peter Sargent
  • Peter Lumsden
ジャガー・Eタイプライトウェイトクーペ ジャガーXK6型3,781cc直列6気筒 310
6 E
3.0
17 NART
  • ボブ・グロスマン
  • グレン・ロバーツ
フェラーリ・250GTO フェラーリ・2,953cc60V型12気筒 297
7 GT
1.6
34 ポルシェ
  • エドガー・バルト
  • ハンス・ヘルマン
ポルシェ・356Bアバルト ポルシェ・1.6リットル水平対向4気筒 287
8 GT
1.3
44 チーム・ロータス
  • デヴィッド・ホブス
  • フランク・ガードナー
ロータス・エリートMk14 コヴェントリー・クライマックス・1.2リットル直列4気筒 286
9 GT
3.0
21 スクーデリア・フェラーリ
  • エド・ヒューガス
  • ジョージ・リード
フェラーリ・250GTベルリネッタSWBベルトーネ フェラーリ・2,953cc60V型12気筒 281
10 GT
1.3
39 Scuderia St. Ambroeus
  • Giancarlo Sala
  • Marcello de Luca di Lizzano
アルファロメオ・ジュリエッタザガートSVZ アルファロメオ・1.3リットル直列4気筒 281
11 GT
1.3
45 チーム・ロータス
  • クライヴ・ハント
  • ジョン・ウィリー
ロータス・エリートMk14 コヴェントリー・クライマックス・1.2リットル直列4気筒 278
12 GT
1.6
35 Auguste Veuillet
  • ロベール・ブシェ
  • ハインツ・シラー
ポルシェ・356Bアバルト ポルシェ・1.6リットル水平対向4気筒 272
13 GT
2.0
29 モーガン
  • クリス・J.・ローレンス
  • リシャール・シェパード
モーガン・+4 トライアンフ・2.0リットル直列4気筒 270
14 E
1.3
43 Equipe Nationale Belge
  • クロード・デュボワ
  • ジョルジュ・ハリス
アバルト-シムカ・1300ビアルベロ シムカ・1.3リットル直列4気筒 268
15 GT
1.6
32 サンビームタルボット
  • Peter Harper
  • Peter Procter
サンビーム・アルパイン サンビーム・1.6リットル直列4気筒 268
16 E
850
53 パナール & ルヴァッソール
  • André Guilhaudin
  • Alain Bertaut
SERA-CD・ディナクーペ パナール・0.7リットル水平対向2気筒 255
17 E
1.15
46 オトモビル・ルネ・ボネ
  • ベルナール・コンスタン
  • ジョセ・ロジンスキー
ルネ・ボネジェット ルノー・1.0リットル直列4気筒 255
18 E
850
50 Sオトモビル・ルネ・ボネ
  • ポール・アルマニャック
  • ジェラール・ローホー
ルネ・ボネジェットIIスパイダー ルノー・0.7リットル直列4気筒 253

注釈

  1. ^ 『ル・マンの英国車』p.114では47号車が「ロータス・エンジニアリングによるエントリー」「フォードの1000cc、タイプF105E。ナンバーS213259Eというエンジンを載せていた」48号車が「エントリーはU.D.T.レイストール」「750ccのエンジンを積んでいた」。
  2. ^ 『ル・マンの英国車』p.144では47号車が997cc、48号車が742cc。
  3. ^ 『ワールド・カー・ガイド8ロータス』p.138では「1Lツインカム搭載車が2台と745ccクライマックスが1台の計3台」。
  4. ^ :en:「Official results」表には「Not Classified」がなく、47号車48号車とも欠番。
  5. ^ ただしen:1962 24 Hours of Le Mansを見るとロータス・エンジニアリングのエリートが総合8位、GT1.3クラス優勝で完走している。
  6. ^ :en:ではロータス・マークIX。

出典

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d e f g 『ルマン 伝統と日本チームの戦い』p.223「資料1」。
  2. ^ a b c 『ルマン 伝統と日本チームの戦い』p.42。
  3. ^ a b c d e f 『ワールド・カー・ガイド8ロータス』pp.105-144「レーシング・ロータス」。
  4. ^ a b c d e f g h i j 『ル・マンの英国車』pp.94-114「1962」。
  5. ^ a b 『ル・マンの英国車』pp.141-144「TECHNICAL INFORMATION ON THE BRITISH CARS AT LE MANS」。
  6. ^ a b c d 『ル・マン 偉大なる草レースの挑戦者たち』pp.298-303。

参考文献




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