1896年アテネオリンピックの陸上競技とは? わかりやすく解説

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1896年アテネオリンピックの陸上競技

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/01 06:20 UTC 版)

1896年アテネオリンピックの陸上競技
競技場に入場するルイスを歓喜して迎える大観衆
日程 1896年4月6日 - 4月7日、4月9日 - 4月10日
競技場 パナシナイコスタジアム
参加国 10カ国・地域
種目数 12 (男子)
1900

1896年アテネオリンピック陸上競技(1896ねんアテネオリンピックのりくじょうきょうぎ)は、1896年4月6日7日9日10日の競技日程で実施された。

概要

100m決勝のスタート
マラソン

古代のパンアテナイ競技場の跡地に新設されたパナシナイコスタジアムで行われた。直線が極端に長く、コーナーが急カーブであった同競技場で、現在と異なり、時計回りで競技が行われた[1]

初めての開催となる今大会では、男子のみ12種目が行われた。

12種目中、9種目でアメリカ選手が優勝、100mで優勝したトーマス・バーククラウチング・スタートは各国選手の注目を集めた。バークは400mでも優勝した。800m1500mではイギリスのエドウィン・フラックがコーナーワークの巧みさで優勝した。円盤投では、初めて円盤を手にしたアメリカのロバート・ギャレットが地元ギリシャ期待のパナギオティス・パラスケボポウロスを破り優勝した。

大会最終日には、マラトンの古戦場から競技場までのコースでマラソンが行われた。フランスアルバン・レムゾーが32キロまでトップを走り、エドウィン・フラックとアメリカのアーサー・ブレイクが2位争いを演じた。23キロでブレイクがリタイア、レムゾーも32キロでリタイアし、フラックが先頭に立った。残り7キロの地点で、無名の牧夫であるギリシャのスピリドン・ルイスが先頭に立ち、そのまま競技場に入った。最後の200mでは、大喜びのコンスタンティノス皇太子、ジョージ親王が伴走した。ピエール・ド・クーベルタンは、「私の生涯のうちで、これほど感激したことはない」と語った。ルイスにはマラソン競技を提唱したパリ大学ミシェル・ブレアル教授から寄贈された高さ15cmの銀製のマラソントロフィーが贈られた[1]。このトロフィーはルイスの孫により、クリスティーズオークションに出品され、ギリシャの民間財団が約54万ポンド(約7000万円)で落札した[2]

競技結果

種目
100m
詳細
 トーマス・バーク
アメリカ合衆国 (USA)
12秒0  フリッツ・ホフマン
ドイツ (GER)
12秒2  ソコリ・アラヨス
ハンガリー (HUN)
12秒6
 フランシス・レーン
アメリカ合衆国 (USA)
400m
詳細
 トーマス・バーク
アメリカ合衆国 (USA)
54秒2  ハーバート・ジャミソン
アメリカ合衆国 (USA)
55秒2  チャールズ・グメリン
イギリス (GBR)
55秒6
800m
詳細
 エドウィン・フラック
オーストラリア (AUS)
2分11秒0  ダーニ・ナーンドル
ハンガリー (HUN)
2分11秒8  ディミトリオス・ゴレミス
ギリシャ (GRE)
2分28秒0
1500m
詳細
 エドウィン・フラック
オーストラリア (AUS)
4分33秒2  アーサー・ブレイク
アメリカ合衆国 (USA)
4分34秒0  アルバン・レムゾー
フランス (FRA)
4分36秒0
マラソン
詳細[3]
 スピリドン・ルイス
ギリシャ (GRE)
2:58:50  ハリラオス・バシラコス
ギリシャ (GRE)
3:06:03  ケッルネル・ジュラ
ハンガリー (HUN)
3:06:35
110mハードル
詳細
 トーマス・カーティス
アメリカ合衆国 (USA)
17秒6  グラントリー・ゴールディング
イギリス (GBR)
18秒0 該当者なし
走高跳
詳細
 エラリー・クラーク
アメリカ合衆国 (USA)
1m81cm  ジェームズ・コノリー
アメリカ合衆国 (USA)
1m65cm 該当者なし
 ロバート・ギャレット
アメリカ合衆国 (USA)
棒高跳
詳細
 ウェルス・ホイト
アメリカ合衆国 (USA)
3m30cm  アルバート・タイラー
アメリカ合衆国 (USA)
3m25cm  エバンゲロス・ダマスコス
ギリシャ (GRE)
2m75cm
 ヨアニス・テオドロプロス英語版
ギリシャ (GRE)
走幅跳
詳細
 エラリー・クラーク
アメリカ合衆国 (USA)
6m35cm  ロバート・ギャレット
アメリカ合衆国 (USA)
6m18cm  ジェームズ・コノリー
アメリカ合衆国 (USA)
6m11cm
三段跳
詳細
 ジェームズ・コノリー
アメリカ合衆国 (USA)
13m71cm  アレクサンドラ・トゥフェーリ英語版
フランス (FRA)
12m70cm  イオアニス・ペルサキス
ギリシャ (GRE)
12m52cm
砲丸投
詳細
 ロバート・ギャレット
アメリカ合衆国 (USA)
11m22cm  ミルティアデス・ゴウスコス
ギリシャ (GRE)
11m20cm  ゲオルギオス・パパシデリス
ギリシャ (GRE)
10m36cm
円盤投
詳細
 ロバート・ギャレット
アメリカ合衆国 (USA)
29m15cm  パナギオティス・パラスケボポウロス
ギリシャ (GRE)
28m95cm  ソティリオス・ヴェルシス
ギリシャ (GRE)
28m78cm

各国メダル数

国・地域
1 アメリカ合衆国 (USA) 9 6 2 17
2 オーストラリア (AUS) 2 0 0 2
3 ギリシャ (GRE) 1 3 6 10
4 ハンガリー (HUN) 0 1 2 3
5 フランス (FRA) 0 1 1 2
イギリス (GBR) 0 1 1 2
7 ドイツ (GER) 0 1 0 1

脚注

  1. ^ a b 吉井道郎『オリンピックの事典』三省堂、1984年6月30日、20-23頁。ISBN 4-385-15530-5 
  2. ^ 英競売、五輪優勝杯に7千万円 第1回マラソン”. 共同通信 (2012年4月19日). 2012年12月29日閲覧。
  3. ^ 距離は40km

関連項目

外部リンク




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