龍源院の屏風「白蔵主と月にむら雲」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 04:09 UTC 版)
「白蔵主」の記事における「龍源院の屏風「白蔵主と月にむら雲」」の解説
京都の龍源院には僧の姿のキツネを描いた屏風がある。日本画家・鈴木松年が、永徳年間の堺で少林寺の僧・白蔵主の飼っていたキツネが吉凶を告げたという逸話をもとに描いたといわれるもので、龍源院に収められたのには、以下のような経緯がある。 1960年(昭和35年)。大阪府に住む人物が龍源院を訪ねた。その者が言うには、家業不振が続くので、行者に見てもらったところ、もし家にキツネを描いた掛け軸や屏風があれば、そのキツネは修行中の身でもっと修行をしたがっているので、早くどこかの寺に収めるようにと言われたという。家には確かに堺の伝説を描いた白蔵主の屏風があったが、収める先の見当がつかなかったところ、行者はキツネの望む寺が京都にあるかもしれないと助言した。そこで京都まで来て歩き回ったところ、龍源院の前で足が動かなくなり、意を決して訪ねたとのことだった。 龍源院でも、かつての和尚が下間に狐窟(こくつ)と銘した逸話があり、キツネと少なからず縁があったため、龍源院の住職は、キツネの屏風に因縁を感じ、申し入れを承諾した。以来、元の持ち主だった家は平穏に暮らすことができた。 この白蔵主の屏風はその後も、龍源院の下間「狐窟」にあり、一般公開されている。
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