黒本・青本
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 18:37 UTC 版)
黒本・青本は赤本の形態を受け継いだもので、表紙が黒い本を黒本、表紙が萌黄色の本を青本と呼称する。青本の褪色は早く、実際の表紙は黄色(藁色)を呈する。上下2巻2冊、上下巻3巻3冊が普通だが、5巻5冊、10巻10冊、12巻12冊なども存在する。 黒本・青本の刊行時期は、1744年(延享元年)刊『丹波爺打栗』から1774年(安永4年)『金々先生栄花夢』刊行までと位置づけられるが、実際には安永4年以降にも黒本・青本は刊行されていた。黒本・青本の先後関係はまだ決定的な結論が出ていない。 内容は、人形浄瑠璃や歌舞伎といった演劇や浮世草子に取材したもの、勧化本や地誌、通俗演義ものや実録もの、一代記ものなどがある。 黒本・青本の画工は鳥居派の絵師が主流をなし、具体的には、鳥居清倍・鳥居清重・鳥居清満・鳥居清経・山本義信・富川房信などの絵師が活躍した。作者には、観水堂丈阿・柳川桂子・和祥などがいた。
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