黄色い本 ジャック・チボーという名の友人
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「黄色い本」の記事における「黄色い本 ジャック・チボーという名の友人」の解説
講談社『月刊アフタヌーン』1999年10月号初出、72ページ 北部の田舎で暮らす女子高校生・田家実地子が、学校の図書館で借りたロジェ・マルタン・デュ・ガール『チボー家の人々』翻訳5巻本をゆっくりと読み進めていく様子を描いた作品。10-15ページ程度で分けられた5つの章からなるが、作中で大きな出来事は起こらず、実地子が田舎暮らしや学校生活の中で本を読み進めていく様が静かな調子で描かれる。読書中のシーンでは、実地子が読み進めているページの活字をコマいっぱいに描く表現がなされている(描き出しもそのようなコマから始まる)。そして実地子は自身の暮らしのなかで、本の中の登場人物であるジャック・チボーやその友人たちと言葉を交わす。会話の主題は革命である。実地子と彼らとの会話は、時に実地子の生活と地続きであるかのように描かれており、また実地子は革命の主題をしばしば自分自身の生活に当てはめて考え、自身の生活が革命からほど遠いことを思う。実地子が就職先を決め、卒業式の日に本を返却したところで幕となる。 各章の最初のページは、扉絵の代わりにカエルを主人公にした小さな4コマ漫画が1本ずつ描かれている。
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