黄泉のツガイ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/18 15:14 UTC 版)
黄泉のツガイ | |
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ジャンル | 少年漫画 ファンタジー |
漫画 | |
作者 | 荒川弘 |
出版社 | スクウェア・エニックス |
掲載誌 | 月刊少年ガンガン |
レーベル | ガンガンコミックス |
発表号 | 2022年1月号 - |
発表期間 | 2021年12月10日[1] - |
巻数 | 既刊10巻(2025年7月現在) |
アニメ | |
原作 | 荒川弘 |
監督 | 安藤真裕 |
シリーズ構成 | 高木登 |
キャラクターデザイン | 新井伸浩 |
音楽 | 末廣健一郎 |
アニメーション制作 | ボンズフィルム |
放送局 | 未発表 |
放送期間 | 未発表 - |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画・アニメ |
ポータル | 漫画・アニメ |
『黄泉のツガイ』(よみのツガイ)は、荒川弘による日本の漫画作品。『月刊少年ガンガン』2022年1月号から掲載されている[2]。
2023年に「次にくるマンガ大賞 2023」コミックス部門2位[3]、「第7回 みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞」[4]に選ばれる。
10巻までの累計発行部数は400万部を突破している[5]。
あらすじ
「夜と昼を別つ双子」として生まれた、ユルとアサの兄妹。能力を狙うものから隠れ、人里離れて結解を張られた村で静かに暮らしている。
ある日、村に謎の武装集団が現れて虐殺がはじまり、アサは、本物の妹のアサだと名乗る女性に、偽物として殺害される。
ユルは村の守り神の「ツガイ」の左右様と契約して武装集団を撃退し、自称本物の妹・アサを追って下界に降りる。
登場人物
東村関係者
- ユル
- 主人公、16歳の少年。双子の妹のアサとともに、東村に住んでいた。
- 俗世と隔離された生活であったため、電子機器など現代の一般常識には非常に疎い。
- 狩りで鍛錬した弓の使い手。メンタルもハンター気質。
- 「封」の力を持つはずだが、その能力はまだ使えていない。
- ツガイは、左右様(左様と右様)。本尊は村入口にあった守り神の石像。村が襲撃された時にユルと契約した。元が岩であるため、非常に頑丈。もともと左様は「封」と右様は「解」と相性が悪い。
- 偽アサ(キリ)
- キョウカを主とするツガイの片割れ。
- デラ(田寺リュウ)
- 村の青年。番小物(つがいこもの)を務める田寺家の現当主で、10年前から任務に就く。ユルを助けてともに下界へ降りる。
- 村に干渉されない限り、自分からは手を出さないスタンス。
- ツガイは現在持っていないらしい。
- ミネ
- ユルとアサの父親。東村に偶然迷い込んできたナギサと出会い、夫婦となる。
- 10年にユルに刺客の危険を教えたのち、刺客から逃れるため10年前にアサらとともに村を出る。影森家に匿われていたが、沖縄に向かう飛行機で姿を消す。
- ナギサ(金城ナギサ)
- ユルとアサの母親。沖縄県出身。東村に偶然迷い込んで、ミネと出会い、夫婦となる。
- 刺客から逃れるため10年前にアサらとともに村を出る。影森家に匿われていたが、実家のある沖縄に向かう飛行機で姿を消す。実家の母親は健在で、時折アサに連絡をよこす。
- ハナ(段野ハナ)
- 村の番小物の女性。小柄だが肉体派で大食いである。料理上手。デラの後輩にあたる。やや砕けた話し方をする。母の仕事を受け継ぎ、「墓堀り」として死体処理を行う。下界でデラらを助けるため、デラらと一家を装う。
- ツガイは、前虎後狼(虎徹と二狼)で、情報収集に長ける。
- ヤマハおばぁ
- 村の長老。アサを幽閉する。実は西ノ村出身の人物。「封」の力を持つ姉のミナセによって、寿命を「封じられて」いる。授かった封の力で、東村を隠している。
- ダンジ
- ユルの幼馴染の少年。しかし、本当はキョウカを主とするツガイだった。
- キョウカ
- ダンジの母。
- ツガイは、ザシキワラシ(キリとダンジ)。
- 村民とは違ってマトモであり、ユルやアサやツガイの事を心の底から身を案じている。
- 村は滅びるべきと望んでいる。
- アザミ
- 村の少女。影森家の村の襲撃で母を亡くす。父(オダマキさん)は難を逃れており、東村で健在。
- 祈祷師のヤマさん
- 下界で祈祷師としてお祓いや霊障治療をするほか、村と下界をつなぐ役割を持つ。
- ツガイは、レディとジェントルマン。
- 「山賊」
- 東村の過激派の一派。「封」と「解」の力を得ようと、ユルやアサを襲う。
- 「社長」
- 下界の東村一派のリーダー的存在の老人。この機会に東村のリーダーとなろうとする野心を持つ。
- ツガイは、災神(篝と雫)。火やウォーターカッターで攻撃する。
- 田寺ロウエイ
- デラとケンの父で田寺家前当主。
- 波久礼ヒカル作品の「プリきゅん☆マミちゃん」の筋金入りのファンで、普段から当時世間から知名度の低かった第一期アニメシリーズのオタクTシャツを着る。
- 妙な格好とアニメオタク趣味とは裏腹に相当な手練で切れ者である。顔の怪我を包帯で隠している。
影森家
考え方の違いで村を出た一族。ツガイ使いを多数抱える。ハナやデラ曰く「関わりたくない世間一般から弾かれたはみ出し者の集まり」であり、孤児が多い。
- 影森ゴンゾウ - 影森家の現当主
- 好人物に見えるが、裏切り者には容赦せず、目的のために使用人を使い捨てにする非情な一面も持つ。
- ツガイは、百鬼夜行。複数のツガイを支障なく持つことができる。
- 影森ヒカル – 長男
- ハートフルな漫画で人気の漫画家「波久礼ヒカル」。殺伐とした影森家の生活を厭う。
- 作品の「プリきゅん☆マミちゃん」は人気となり何度もアニメ化されている。関係者には隠れファンも多い。
- ツガイは、黒白(ホワイトとベタ)。物体を消して、上書きできる。
- 影森遊馬(アスマ) - 次男
- 母のイオリの兄新郷ハヤトと行動を共にする、怪しげな笑みの人物。合理的な考え方を持ち、影森家では異質。
- ツガイは、金烏玉兎(朝霧と夜桜)。いずれも蝶・蛾の群体のツガイ。
- 影森ジン – 三男
- 任務で東村を襲撃した部隊の責任者。任務の実務面を司る。
- ツガイは、掃除屋(愛ちゃんと誠くん)。何でも食べて、任意で出せる。
- ガブちゃん
- 任務で東村を襲撃する。金髪の少女。影森家に身を寄せている。
- ツガイは、「ジョー・ウィリアム・フレデリック・ガブリエルI世」と「カーク・ダグラス・ウオルドグレイヴ・ガブリエルII世」。上顎と下顎で一体となって、相手を齧り取る。
- アサ
- ユルの双子の妹。
- ユルを置いて父母とともに村を離れ、影森家に匿われる。10年間離れていたユルを溺愛する。
- 「解」の力を持つ。ツガイの契約を解くことができる。
- 15歳の時に刺客に一度殺されたが、ユルを守ろうと復活し、その代償に右目を失い眼帯をする。
- ツガイは、陰陽(仮名、おはぎとだいふく)。
使用人
- 黒谷ナツキ – 長女
- ツガイは、なもみはぎ(ジジ丸とババ丸)。なまはげのような頑強さをもつ。
- 黒谷フユキ – 長男
- ツガイは閻魔帳(ウィスパーとエンプレイス)。ツガイから情報を取ることができる。
- 黒谷ハルオ – 次男
- ツガイは、兎と亀。兎の素早さと亀の相手を重くさせる能力が武器。
- 黒谷アキオ – 三男
- 痛覚を感じない。
- ツガイはヤマノカミ(山風と谷風)。
- 立川マコト
- 影森家を襲撃したが、捕まって以降、影森家に雇われて時折ヒカルのアシスタントも行っている。難病の母親の治療費を支払う為に雇われた苦労人の女性。見た目は派手だが感性は一般的で真面目である。
- ツガイは狐狸変化(赤井さんとみどりさん)で、変装や捕獲の能力を持つ。
- 桜沢先生
- 影森家の医務室で、少々のケガ等であれば治療してくれる。
- 羽村
- 立川らと影森家を襲撃したが、ツガイの陰陽を雑に扱って別れる。のちに庭師として影森家の使用人となる。立川と違ってギャンブル狂で多額の借金を背負った男である。
その他
- 新郷ハヤト
- 影森アスマの母イオリの兄。姻戚の影森家を乗っ取ろうとする。
- ツガイは風神雷神(風神と雷神)。
- 新郷イオリ
- 影森アスマの母。ハヤトより勉強も運動も出来なかった為、親戚や両親からずっといらない女と虐げられていた。故人。ツガイを苦に自殺しようとしていたところ、通りすがりの影森ゴンゾウに影森家に誘われる。
- 与謝野イワン
- 新郷ハヤトに雇われた刀使い。戦闘能力が高く、左右様とも互角に戦う。
- ツガイはマガツヒ(大凶と小凶)。長刀と脇差。
- 田寺ケン
- 田寺リュウの異母兄弟の少年。先代田寺ロウエイとエチオピア人の母とのハーフ。病悩山に長らく封印されていた手長と足長と契約してしまう。
- ツガイは、手長と足長。ケンに危害は加えないものの悪事を働く。
- 犬
- 名前は不明のパグ。偶然にツガイ使いとなる。
- ツガイはブラックスーツを着る宇宙人型の男女。名前は不明。
- オシラサマ
- 人間とのんびり過ごす神様レベルのツガイ。左右様とは旧知。
西ノ村関係者
400年前の関ヶ原の戦いで西軍に力を貸したが、敗れて焼かれた村。西野湖ダム事業によって、跡地は今はダム湖に沈んでいる。関係者は今回の勝利を目論む。
- 峰山アンナ
- 私立百目鬼(どめき)女子高等学校に通う女子高生。3年生で受験が近い。
- ツガイは、魂コロガシ(タロウとヒメ)。タロウは死体を丸めて肉団子に圧縮し、ヒメはそこへ卵を産み付けて新たなツガイを生み出すことができる。
- 椥辻
- 若い男性。
- 粘菌のようなツガイを相手のツガイの本尊に寄生させることで、自在に操って爆発させることができる。
- 醍醐
- 血の気の多い大男。
- ツガイは、サドマゾ(ドSとドM)。くらった攻撃をドMが吸収し、ドSがコピーして相手に放つ。
- 御陵
- 西ノ村関係者のリーダー的存在。中華料理店「西家」を営む。
- 謎の女
- 年齢不詳の若い女。黒谷アキオの母と名乗って、アキオを西ノ村側へ引き入れる。
用語
- ツガイ
- 固有の特殊能力を持つ存在。古来、「神様」や「妖怪」と呼ばれることもある。人語を解し、心を持つ。
- ツガイの本尊、もしくはツガイ自身に主となる人物の血がかかることで、主従契約が結ばれる。契約された主の命令に(基本)従う。基本、1人の主には2体1組で仕える。ただしツガイの意思で契約を終わらせることも可能。
- 主がいなくなると、野良ツガイとなり地縛霊のようにその場所に繋がれ、そのまま何百年も経つと消滅してしまう。そのため主の身を守ろうとする。
- ツガイはツガイ使い、ないしツガイの元使い手にしか見えない。ツガイ側から干渉して姿を見せることもできる。相性から、まれに見えてしまう一般人もいる。
- ツガイには影が無い。ただしツガイの意思で影を偽装することもできる。
- 「封」と「解」
- 東村で夜と昼が等しい日に、日の出を境に生まれた男女の双子が持つ能力。古来、能力を持つものが生まれるたびにその力を利用しようとする者の間で激しい争いが繰り広げられてきた。一番最近は400年前。
- 所有者が一度死ぬことで、その能力を使えるようになる。ただし双子が必ずしも生き返るとは限らなく、400年前の前回の戦いの際には片方は生き返らなかった。
- 「封」は世のあらゆるものを強制的に閉じることができる能力。
- 「解」は世のあらゆるものを強制的に解くことができる能力。
書誌情報
- 荒川弘、『黄泉のツガイ』、スクウェア・エニックス〈ガンガンコミックス〉、既刊10巻(2025年7月11日現在)
- 2022年6月10日発売[6]、ISBN 978-4-7575-7962-0
- 2022年9月12日発売[7]、 ISBN 978-4-7575-8100-5
- 2023年2月10日発売[8]、 ISBN 978-4-7575-8401-3
- 2023年6月12日発売[9]、 ISBN 978-4-7575-8608-6
- 2023年9月12日発売[10]、 ISBN 978-4-7575-8786-1
- 2024年1月12日発売[11]、
ISBN 978-4-7575-8877-6
- 特装版:2024年1月12日発売、 ISBN 978-4-7575-8878-3
- 2024年5月11日発売[12]、 ISBN 978-4-7575-9184-4
- 2024年9月12日発売[13]、 ISBN 978-4-7575-9412-8
- 2025年3月12日発売[14]、 ISBN 978-4-7575-9733-4
- 2025年7月11日発売[15]、 ISBN 978-4-7575-9950-5
テレビアニメ
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この節には放送または配信開始前の番組に関する記述があります。
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2025年7月に制作が発表された[16]。
スタッフ
- 原作 - 荒川弘[16]
- 監督 - 安藤真裕[16]
- シリーズ構成 - 高木登[16]
- キャラクターデザイン - 新井伸浩[16]
- 音楽 - 末廣健一郎[16]
- アニメーション制作 - ボンズフィルム[16]
出典
- ^ “荒川弘最新作のタイトルは「黄泉のツガイ」、12月発売の少年ガンガンで連載開始”. コミックナタリー. ナターシャ (2021年11月12日). 2025年1月19日閲覧。
- ^ “荒川弘の新作「黄泉のツガイ」が表紙&巻頭カラーで始動、もち「魔女ツノ」完結”. 2024年9月10日閲覧。
- ^ 歴代受賞作品2023 次にくるマンガ大賞ホームページ 2024年7月16日閲覧
- ^ 「第7回 みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞」2023年イチオシコミック、大賞は荒川 弘氏の最新作『黄泉のツガイ』に決定! PRTIMES 2023年9月27日付記事
- ^ “『黄泉のツガイ』のアニメ化が決定。『鋼の錬金術師』荒川弘の最新マンガがボンズ制作で映像化。特報映像と荒川氏のコメントも公開” (2025年7月6日). 2025年7月6日閲覧。
- ^ “黄泉のツガイ 1巻”. エニックス. 2025年1月19日閲覧。
- ^ “黄泉のツガイ 2巻”. エニックス. 2025年1月19日閲覧。
- ^ “黄泉のツガイ 3巻”. エニックス. 2025年1月19日閲覧。
- ^ “黄泉のツガイ 4巻”. エニックス. 2025年1月19日閲覧。
- ^ “黄泉のツガイ 5巻”. エニックス. 2025年1月19日閲覧。
- ^ “黄泉のツガイ 6巻”. エニックス. 2025年3月12日閲覧。
- ^ “黄泉のツガイ 7巻”. エニックス. 2025年3月12日閲覧。
- ^ “黄泉のツガイ 8巻”. エニックス. 2025年3月12日閲覧。
- ^ “黄泉のツガイ 9巻”. エニックス. 2025年3月12日閲覧。
- ^ “黄泉のツガイ 10巻”. エニックス. 2025年7月11日閲覧。
- ^ a b c d e f g “荒川弘「黄泉のツガイ」TVアニメ化決定!スクエニ×アニプレ×ボンズの布陣で始動”. コミックナタリー. ナターシャ (2025年7月6日). 2025年7月6日閲覧。
外部リンク
- 黄泉のツガイ - 月刊少年ガンガンホームページ
- 『黄泉のツガイ』公式 (@tsugai_gangan) - X(旧Twitter)
- TVアニメ「黄泉のツガイ」公式サイト
- 「黄泉のツガイ」TVアニメ公式 (@tsugai_official) - X(旧Twitter)
- 黄泉のツガイ (@tsugai_official) - TikTok
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