鹿沼土生産
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 08:56 UTC 版)
鹿沼土の原料となる鹿沼軽石は、群馬県の赤城山から約3万年前に噴出し、偏西風に乗って栃木県や茨城県まで降り積もった。中でも、鹿沼市から栃木市にかけての地域に150 cm以上と最も厚く堆積し、なおかつ平坦な台地上に安定的に分布することから、鹿沼市で鹿沼土採取が盛んになった。 まず爪のない油圧ショベルで表土を削った後、関東ローム層と鹿沼軽石層を採掘し、トラックに積み込む。次にトラックから採取物を下ろし、重機やトラクターで薄く広げ、ビニールハウスの中で1週間程度乾燥させる。乾燥が終わると工場へ搬送し、篩(ふるい)にかけて粒径を揃え、ローム層は「赤玉土」として、鹿沼軽石は「鹿沼土」として袋詰にし、ホームセンターや農業協同組合へ出荷する。 採掘から販売までの全工程を行う企業は鹿沼市内に4社しかなく、乾燥・製品化のみを行う企業や赤玉土・鹿沼土に肥料を混ぜた製品を製造販売する企業、副業として乾燥工程のみを行う農家の数が多い。特に鹿沼市北部に相当する、古賀志町(鹿沼市・宇都宮市どちらも)から仁神堂町、千渡の台地区にかけての地域に乾燥場や工場が集中している。徐維那らは、かつての乾燥場・工場はより鹿沼市街に近い地域に分布していたが、都市化や住宅団地・工業団地の開発の影響で郊外化していったものと推測している。
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