鮒味噌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/24 22:09 UTC 版)
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鮒味噌(ふなみそ)とは、淡水魚のフナと大豆を味噌で煮た料理[1]。木曽三川とよばれる揖斐川・長良川・木曽川中流域・下流域の愛知県尾張地方西部や岐阜県美濃地方西南部・三重県木曽岬町および桑名市長島町などで作られている郷土料理の一つ[2]。
郷土の味
愛知県尾張地方や岐阜県美濃地方ではギンブナを使用する。最初にはらわたを取り出したフナを丸ごと白焼きし、その後、半日ほど水に浸して戻した大豆(一番良いのは目黒大豆だと云われる)を敷き詰めた鍋の中に並べ(そこに好みでゴボウなどの野菜が加えられることもある)、番茶の煮出し汁(フナの生臭さが気になる場合は、その煮汁に生姜も加えたほうが良い)で3〜4時間煮た後、八丁味噌などの豆味噌に酒と砂糖(ざらめ)を加え、更に2〜3時間ほど煮込んで出来上がる。煮上がったフナは骨まで柔らかくなっており、殊に子持ちの鮒(卵巣の発達した雌)は喜ばれる。鮒味噌は栄養価にも、保存にも優れた冬の味覚として知られている。それゆえご飯のおかずとして食べる他、以前は冬季の保存食として利用していた。
かつてはこれらの地方のほとんどの家庭で作られ、各家庭独自の味がある郷土料理であったが、フナを入手し、食用とする機会が減ってしまった現在では、作る家庭も少なくなってきている。しかしながら、今なお根強い需要があり、同地方のスーパーマーケットでは、冬季にはごく普通に販売される惣菜である。
脚注
- ^ 堀光代、次世代に伝え継ぐ岐阜県の家庭料理(第3報)- 西濃地域 - 日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成28年度大会 セッションID: 1P-53, doi:10.11402/ajscs.28.0_124
- ^ 五味貞介、鸚鵡籠中記に基く元禄料理の考察と再現について 調理科学 1986年 19巻 4号 p.268-275, doi:10.11402/cookeryscience1968.19.4_268
関連項目
外部リンク
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