魔人学園
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『魔人学園』(まじんがくえん)は、1988年に発表された菊地秀行作の小説。
概要
もとは中高生向け雑誌『ORE』に『ハイスクール・ハンター』の題で連載されたものを加筆改題している。
日本が“東”と“西”に分かれて争っている架空の世界を舞台にしており、本作以外でも菊地秀行の作品には他にもいくつかの作品でこの構図が見られる。
菊地秀行の作品としてはごく普通、ないしはおとなしめと言える程度であるが、連載雑誌の購入者年齢層からいうとかなり性的描写(特に暴行のシーン)が多い。しかし連載開始の段階で編集者とそれに関しての合意はあったようである。
あらすじ
蘭陵高に続き、神智(じんち)高校が西からの攻撃を受ける。セーラー服の老婆とマスクを被った巨漢に率いられた学生服の集団だった。
ところが襲撃を受けたにも拘らず後日、神智高校は、「敵を撃退した」と返答した。関東一円を取り仕切る都立帝(みかど)高校の『護衛団』は、神智高校の教師や生徒たちが姿だけそのまま、何者かに憑りつかれたことを察知する。帝高校総番・倉間皓鉄は、西の襲撃を受けた高校のアイドル的な女生徒が狙われていることを踏まえ、”ミス帝高”・朱雀舞衣に護衛を着けさせた。
不穏な情勢の中、「転校生」檀哲理が帝高校に転入する。不可解な言動を怪しまれつつ檀は、クラスメイトの舞衣、如月隆一郎や日向彩子、もう一人の「転校生」土門杉などと親しくなっていく。しかし倉間は、敵地・関西のミナミ高校へ単身乗り込んで檀哲理に関する驚くべき事実を聞かされる。
登場人物たちが次々と倒れる中、檀は、全ての敵を倒し、平穏な3日間が訪れる。
補足説明
- 『護衛団』
- 関東の各高校に組織されている生徒の武装集団。高校を支配している。
- 格闘技、武器の扱いに精通し、魔術を極めている生徒もいる。総番、副番、外番、平番などの役職に分かれており、不明ながら規模は、数百名に及ぶものと作中で描写される。
- 関西にも同様の組織があるものの『護衛団』とは呼ばないらしい。
- 教師
- 作中で断りなく登場する限り、ごく普通の教員だが一部の登場人物は、『護衛団』の生徒同様、魔術などに精通している。
- 教師が生徒同士の抗争に介入することは、禁止されているものの実態としては、魔術を生徒に教えたり、教師自身が協力することもある。ほとんどの場合、『護衛団』から支払われる金銭などの報酬が目当てであって生徒を守ろうという意識で協力している訳ではない。
- 「転校生」
- 強力な戦闘力か、卓越した技術力を持った生徒。金銭や宝石、女などの報酬と引き換えに依頼されて高校に転入する。
- 転校生は、力を求めて次々に学校を渡り歩くものであり、過去を詮索することは、タブーとされている。いわゆる助っ人、本人の戦闘力を頼りにされる傭兵や生徒に魔術や何がしかの技術を指導する軍事顧問のような役割を果たしており強さこそが転校生の存在意義である。
- 世界観
- 高校生が剣や武器を扱い、魔術を習得している以外に巨大な動植物が生息している。
- 宇宙は、目に見えない小さな物質が集まって出来ている、とした素粒子物理学やエイズ、ギターの存在が一般的に知られていない。他にも現実の世界で一般常識として知られている物事が作中では、通用しない。また東西に分かれた日本のみならず、世界中の学校がそれぞれ争っているらしく『護衛団』に守られていない平和な学校を知らない。
- 関東と関西の間は、霧に包まれており新幹線でしか移動できない。また3時間の時差がある。しかも新幹線は、仮に脱線事故が起こっても次の新幹線は、平然と走行し、救助隊も来ない。霧の中には、怪物が生息しているらしい。東西で争っているものの西は、都立帝高の存在や総番・倉間について詳しいが東は、オオサカ、ミナミなどの存在も『護衛団』のメンバーですら知らない様子である。
登場人物
- 関東
-
- 檀 哲理(だん てつり) - 都立帝高校へやって来た『転校生』
- 朱雀 舞衣(すざく まい) - 先年度からの二年連続の“ミス帝高”
- 倉間 皓鉄(くらま こうてつ) - 都立帝高校の総番
- 大水樹(おおみずき) - 都立帝高校の副番
- 如月 隆一郎(きさらぎ りゅういちろう) - 帝高の生徒で檀と舞衣のクラスメイト
- 日向 彩子(ひゅうが あやこ) - 舞衣の18年来の幼馴染
- 土門 杉(どもん すぎ) - 都立帝高校へやって来たもう一人の『転校生』
- 佐久間(さくま) - 西からの勢力に乗っ取られた神智高校の総番
- 勝通(かちどおり) - 都立帝高校の教師。檀を呼び寄せた依頼者
- 関西
-
- セーラー服の老婆 - 西からやって来た人物で魔術に精通している
- マスクの大男 - 顔を常に隠した巨漢
- その他
-
- しりる - 正体不明の女。予言の力がある
刊行歴
- 1988年11月 講談社 ISBN 978-4062042000
- 1992年06月 講談社 (文庫) ISBN 978-4061851702
- 2006年08月 日本出版社(ノベルス) ISBN 978-4890489541
関連作品
- 小説
-
魔闘学園は異世界から侵略してくる転校生、魔校戦記は、異世界から依頼で召喚される移動生徒会を描いている。
- 魔闘学園(1991年1月、講談社、 ISBN 978-4061856677(講談社文庫、1994年6月、 ISBN 978-4061856677)
- 魔校戦記(1999年05月、祥伝社、 ISBN 978-4396206635
- 漫画
東京魔人學園伝奇
(魔人学園 から転送)
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ナビゲーションに移動 検索に移動『東京魔人學園伝奇』(とうきょうまじんがくえんでんき)は、1998年6月16日に発売されたPlayStation用ソフト『東京魔人學園剣風帖』を第一作とする学園伝奇ジュヴナイルゲームシリーズ、およびその世界設定を共有するコミックス・小説・CDなどの総称である。総監督は今井秋芳、キャラクターデザインは小林美智、南志安永(外法帖・符咒封録のみ)。音楽は新田高史。
概説
本編
製作側の発表によれば、本シリーズは天地人の3つの章からなる三部作構成とされている。
シリーズ第一作である『東京魔人學園剣風帖(けんぷうちょう)』は、シャウトデザインワークスにより制作され、アスミック・エースエンタテインメントを発売元として1998年6月16日に発売された。現代日本の学園を舞台とした伝奇ジュヴナイルという内容から、高いファン人気を得る。三部作構成としては「人の章」に相当する。
その後、2002年1月24日に第二作『東京魔人學園外法帖(げほうちょう)』(天の章)が発売。時代設定的には最も早い幕末期を舞台としており、前作の登場人物の先祖が登場した。
2008年7月には最終作(地の章)となる『東京魔人學園帝戰帖』のニンテンドーDSでの制作が発表されたが[1]、2010年7月に発売中止が発表となった[2]。前2作のミッシングリンクとして昭和初期が舞台となるはずだった。
関連作品
高いキャラ人気から外伝・番外編となる関連作がいくつか発売されており、テレビアニメ、コミック、CDドラマ等のメディアミックス展開も行われている。
また、別メーカーより発売された『九龍妖魔學園紀』(アトラス)や『魔都紅色幽撃隊』(アークシステムワークス)は、本シリーズと同じく今井秋芳が監修しているため、同一世界を舞台とした関連作であり、本シリーズと関係性のあるキャラクターも登場している。
逆に、本シリーズと同じアスミック・エースエンタテインメントから発売されたPlayStation 2用ソフト『転生學園幻蒼録』および『転生學園月光録』は、システムに共通する部分はあるが、今井秋芳および開発スタッフは関わっていないため内容的に繋がりはない。
特徴
東京魔人學園伝奇シリーズのゲームとしてのスタイルはADVとSLGの二部構成であるが、本シリーズの最大のゲームシステム的特徴としてあげられるのが、ADVパートにおける「感情入力システム」である。 これは登場人物たちと主人公(プレイヤー)とのやり取りを通常のADVのような会話選択で行うのではなく、コントローラーの各ボタンに対応した愛・友・同・喜・悩・怒・悲・冷の8種類(加えて「無視」もできる)の「感情」で表現する手法で、その場その場の主人公(プレイヤー)の、より細やかな感情を直接にゲームに反映させることができるほか、敵に愛を囁いたりヒロインに対して怒りや冷たさをぶつけるなどの破天荒なプレイも自由に可能となっている。
すなわち主人公の個性が規定されておらず、プレイヤーが100人いれば100通りの行動を選択しうるのみならず、その具体的内容をあえて描かず抽象化することによって想像力の余地を十二分に残し、これによってプレイヤーと主人公の強い一体感を抱かせる効果をあげているものである。 また、この多様な感情表現によって、対話相手のキャラクターの感情をも左右でき、その結果として、敵として、あるいは味方として登場してくるキャラクターたちを仲間にすることができたりできなかったり、と言う「仲間集め要素」が楽しめることにもなっている。
物語上の特徴としては「ジュヴナイル」的作品観に貫かれていることがあげられる。ジュヴナイルとは少年少女を主人公とした冒険青春群像劇、とでもいうべき物語形式であるが、魔人學園におけるジュヴナイルはこれに伝奇的要素を強く盛り込み、合わせて番長や不良など大時代的な要素を意図的に導入してノスタルジックな感覚を持たせた、良い意味でのB級作品といった語り口となっている。
感情入力システムは次のとおり。
- 愛:愛情を込めた返事。やたらと使うと気持ち悪がられることもある。
- 友:友好的な返事。ほとんどの場面では無難な選択肢。
- 同:うなずく。感情のこもらないただの同意として使われやすい。
- 喜:喜ぶ返事。仲間が大変な目に遭った時に使うと怒られることもある。
- 悩:悩む状態。完全には同意できないときなどに用いやすい。
- 怒:同意できない意見に対して腹立ちを表現する。
- 冷:感情的でない否定や、冷たい返事として表現される。
- 悲:話題に対して同情や悲しみを表現する。
- 無:何も押さない(もしくはスタートボタンを押す)と無視の扱いとなる。
シリーズ一覧
ゲームソフト
- 本編
- 東京魔人學園剣風帖(PlayStation、ニンテンドーDS)
- ニンテンドーDS版は後述の朧綺憚が収録されたリメイク移植版
- 東京魔人學園外法帖(PlayStation)
- 東京魔人學園外法帖血風録(PlayStation 2)
- 外法帖のリメイク移植版
- 東京魔人學園外法帖血風録(PlayStation 2)
- 関連ソフト
- 東京魔人學園剣風帖朧綺譚(PlayStation)
- 剣風帖のファンディスク。メインキャラクター全員分のエンディングや外伝など、本編の補完がなされた。剣風帖と同一パッケージとなった『東京魔人學園剣風帖繪巻』も発売。
- 東京魔人學園符咒封録(ワンダースワン、ゲームボーイアドバンス)
- トレーディングカードゲーム
- 東京魔人學園群星伝(携帯アプリ)
- 格闘ゲーム
CDドラマ
- 東京魔人學園退魔陣(全4巻)ムービック
- 剣風帖ベース。真神学園新聞部員・遠野杏子を主人公としたドラマシリーズ。
- 東京魔人學園月紅伝(全3巻)ムービック
- 剣風帖ベース。真神学園生物教師・犬神杜人を主人公としたドラマシリーズ。
- 東京魔人學園妖鬼譚(全2巻)ムービック
- 外法帖ベース。同心・御厨を主人公としたドラマシリーズ。
- 東京魔人學園陽炎(全1巻)ムービック
- 外法帖ベース。
- 東京魔人學園黄龍祭(全2巻)ムービック
- 剣風帖ベース。登場人物達の5年後の再会を描くドラマシリーズ。
- 妖都鎮魂歌(全2巻)ムービック
- 剣風帖ベース。登場人物の一人・壬生紅葉のその後の活躍を描いたドラマシリーズ。
小説
- 東京魔人學園双龍変(巻の1)KKベストセラーズ
- 東京魔人學園双妖変(巻の2)KKベストセラーズ
- 東京魔人學園双刹変(巻の3)KKベストセラーズ
- 東京魔人学園双惺変(巻の4)KKベストセラーズ
- 東京魔人學園双屍変(巻の5)KKベストセラーズ
- 東京魔人學園双縲変(巻の6)KKベストセラーズ
- 東京魔人學園双凰変(巻の7)KKベストセラーズ
コミックス
- 妖都鎮魂歌(全2巻)原作・今井秋芳 作画・笠井あゆみ 角川書店
- コミック魔人・東京魔人學園剣風帖激画伝・陽 コーエー
- コミック魔人2・東京魔人學園剣風帖激画伝・陰 コーエー
- コミック魔人3・東京魔人學園剣風帖激画伝・朧 コーエー
- コミック魔人4・東京魔人學園剣風帖激画伝・刻 コーエー
- 東京魔人學園剣風帖(全4巻)喜名朝飛著 スクウェア・エニックス
- 東京魔人學園外法帖(全5巻)喜名朝飛著 スクウェア・エニックス
- 東京魔人學園剣風帖 龖(龍龍/読みは【トウ】)(連載中)佐倉諒著 スクウェア・エニックス
TVアニメ
2007年1月19日よりアニマックスにて放映開始。
ラジオドラマ
- 東京魔人學園剣風帖 龖『学級日誌』
2007年4月よりエフエム大阪にて放送開始。設定はTVアニメ版。
注釈
- ^ 『東京魔人學園帝戰帖』が発表(ファミ通.com、2008年7月22日)
- ^ NDS用アドベンチャーゲーム「東京魔人學園帝戰帖」は発売中止に(4Gamer.net、2010年7月1日)
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固有名詞の分類
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