高遠氏とは? わかりやすく解説

高遠氏

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/09 15:01 UTC 版)

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高遠氏(たかとおし)は、日本氏族の一つ。信濃国一ノ宮諏訪神社大祝諏訪氏の一門であり信濃国伊那郡高遠(現在の長野県伊那市高遠町)を中心に土着した国人である。高遠諏訪氏。

概要

祖は高遠信員(のぶかず、名は貞信(さだのぶ)とも)とされる。彼は南北朝時代に南朝に味方した大祝諏訪頼継(よりつぐ、頼嗣とも)の子であるとも、その弟の諏訪継宗(つぐむね)の子であるともいわれる。なお、諏訪氏の惣領は頼継と続宗の弟にあたる諏訪信継(のぶつぐ、信嗣とも、直頼の父)の系統が継承している(頼継・継宗・信継はいずれも諏訪時継の子である)。

諏訪氏の分家である高遠氏は、諏訪氏惣領職を巡ってしばしば宗家と戦い、高遠頼継の代には天文11年(1542年)に甲斐武田晴信(信玄)と密約を結び諏訪頼重を滅ぼした。諏訪領は武田氏と分割され頼継は西半分を支配していたが、諏訪氏惣領を志向する頼継は伊那郡福与城藤沢頼親らと武田領へ侵入し、同天文11年(1542年)9月25日の宮川の戦いにおいて武田方に敗退し、諏訪から退去した[1]

天文13年(1544年)に頼継は藤沢頼親とともに武田氏に対して反乱するが敗れ、天文17年(1548年)には甲府へ出仕している[2]。頼継は高遠領を安堵されていたが、天文21年(1552年)には甲府へ召喚され、自害を命じられている[3]。高遠氏は従来頼継の死去をもって滅亡したと考えられていたが、近年は高野山成慶院に伝来する『甲斐国過去帳』の記載から、永禄5年(1562年)に諏訪惣領家を継いだと見られていた信玄四男の勝頼が高遠諏訪家を継いでいたことが指摘されている[4]

系譜

太字は当主、実線は実子、点線は養子。※異説あり。
諏訪時継
 
 
 
継宗
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
高遠信員 高遠頼隣
 
 
 
頼光
 
 
 
太源
 
 
 
悦山
 
 
 
継宗
 
 
 
満継
 
 
 
 
 
 
 
 
 
頼継 頼宗(蓮峰軒)

脚注

  1. ^ 高白斎記
  2. ^ 『高白斎記』
  3. ^ 『高白斎記』
  4. ^ 大石泰史「全国国衆ガイド」2015年 講談社

参考文献

史料
  • 『高白斎記』
  • 高野山成慶院に伝来する『甲斐国過去帳』

関連項目


高遠氏

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高遠城」の記事における「高遠氏」の解説

高遠城諏訪氏一門高遠頼継居城としており、甲斐国守護武田氏同盟関係にある諏訪氏当主頼重とは反目していた。頼継は1541年天文10年)に甲斐守護武田晴信信玄)に内応して諏訪攻略援護している。頼重武田により滅ぼされるが、諏訪領有巡り武田と頼継は対立し1545年天文14年4月武田勢高遠城藤沢頼親福与城攻め行い伊那地方への進出拠点とした。

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「高遠氏」を含む「高遠城」の記事については、「高遠城」の概要を参照ください。

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