高血圧に関する研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 14:56 UTC 版)
闘争・逃走反応が過度に引き起こされると、高血圧症などの病気を誘発し、心臓病や脳卒中などの致死性の病気になることがある。ハーバート・ベンソンが高血圧の人を対象に行った研究では、80人以上のグループから降圧剤の量が変化しなかった人と最初から使っていなかった人を対象に観察を行い、統計学的に優位な血圧の低下を確認した。しかし超越瞑想は彼らを治療したわけではなく、血圧の低下は超越瞑想を定期的に練習していた間に限られ、定期練習を止めた人は4週間以内に元の高血圧のレベルに戻った。これは高血圧患者を対象にリラクセーション反応を定期的に起こす実験をした最初の研究で、高血圧症や高血圧状態の治療に新しい可能性を示した。 『アメリカン・ジャーナル・オブ・ハイパーテンション』(2004年4月号)に掲載された研究論文によると、ジョージア医科大学付属ジョージア予防研究所の生理学者ヴァーノン・A・バーンズ博士は、超越瞑想を学んだ黒人の学生156人の血圧を8カ月間にわたって計測した結果、彼らの血圧は順調に低下していき、低下した状態で安定する傾向が見られると報告した。 2013年に、アメリカ心臓協会は、様々な種類の瞑想法やリラクセーション法を対象にした最新の臨床試験を検討し、「血圧を下げる代替的アプローチ」と題する報告書を発表した。高血圧の治療法として、他の運動や機器の誘導を用いた呼吸法の方がより効果的でより良い臨床データがあるとはいえ、超越瞑想も検討できるだろうと述べた。 その報告書の中で、瞑想法の中では血圧を下げる効果がある可能性が確認されたのは超越瞑想だけであり(超越瞑想の評価:クラス IIb, 証拠レベルB)、その他の瞑想法は推奨するための科学的証拠が十分ではない(他の手法の評価:クラスIII、証拠レベルC)と述べられていた。 2015年のシステマティックレビューとメタアナリシスでは、研究の根底にバイアスの危険があり、より優れた研究デザインによるより良い研究が必要とされているとはいえ、対照実験で血圧を下げる効果がある可能性が見られた。
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