高杉弾とその周辺
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 21:35 UTC 版)
「Jam (自販機本)」の記事における「高杉弾とその周辺」の解説
高杉弾の編集技法はコラージュとカットアップ を多用した極めて特殊なもので、誌面からは高杉の個性が色濃く反映されたサイケデリックなレイアウトが全体的に見受けられる。一方で雑誌の構成面においては高杉以外の功績も大きく、特に高杉は雑誌の思想的バックボーンとして美沢真之助(隅田川乱一)の才能を高く評価していた。後に高杉は「真之助がいなかったら『HEAVEN』はともかく『Jam』は出来なかったと思いますね」とも語っている。また臨済禅、グルジェフ、シュタイナーなどの神秘主義やカルトムービー、現代美術などの記事はオカルト雑誌『迷宮』の編集にも携わっていた八木眞一郎が関与している可能性が高い。一方で山崎春美はパンクや音楽関連の記事を中心に担当し、本誌にも執筆していた元ガセネタの大里俊晴や吉祥寺マイナー店主の佐藤隆史は山崎経由での参加とみられている。 ちなみに本誌では海外雑誌の記事を無断で翻訳して勝手に転載するなど完全に著作権を無視した編集方針を取っており、違法な企画や図版の無断転載などを平然と誌面で展開していた。これについて高杉はインタビューで「あんなもの著作権もクソもなくて、どこの雑誌に載ってようと勝手にこっちに載せたって良いと思ってた。実際問題、それにクレームつけるやつなんか一人もいないんだから。自動販売機のエロ本に文句を言ってどうするの?」と当時を振り返っている。 1980年4月にはエルシー企画が自販機本最大手のアリス出版と合併。同時にジャム出版も新編集部「HEAVEN EXPRESS」の発足に伴い発展的解消を遂げ、新雑誌『HEAVEN』創刊の運びとなる。
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