類似性探索と仮想スクリーニング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/05/30 15:22 UTC 版)
「分子類似性」の記事における「類似性探索と仮想スクリーニング」の解説
類似性に基づくバーチャルスクリーニング(リガンドに基づくバーチャルスクリーニングの一種)では、クエリーの化合物と類似するデータベース中の全ての化合物は、互いに類似する生物学的活性を持つと仮定している。この仮説は常に妥当というわけではないが、きわめて多くの場合に類似性に基づき検索された化合物の組は類似の活性に富む。 分子構造を、「分子スクリーニング」(構造情報を検索キーとして類似構造を探索する方法)、または、固定サイズ/可変サイズの「分子フィンガープリント」(指紋という特徴によって人物を同定するように、ある特徴を持つ分子を同定する方法)によって表現することで、何百万もの化合物を含むデータベースから類似性に基づくスクリーニングを効果的に行うことができる。分子スクリーニングおよびフィンガープリントは、2次元 (2D) および3次元 (3D) の構造情報をともに含むことができる。しかしながら、二進数のフラグメント記述子(分子情報を表現するコンピュータデータ)の一種である2Dフィンガープリントがこの分野でよく用いられる。MDLキー(MDL Information Systems社の化合物フォーマットによる検索キー)のようなフラグメント(構造の特定の部分)に基づく構造キー は小さいサイズと中くらいのサイズの化学データベースを十分に扱うことができる。一方、大きいサイズのデータベースを処理するにはより高い情報密度を持つフィンガープリントが必要となる。フラグメントに基づくDaylightフィンガープリント(Daylight Fingerprint Toolkitで計算される)、BCIフィンガープリントおよびUNITY 2Dフィンガープリント (Tripos)が最も良く知られた例である。フィンガープリント法によって表現された化学構造を比較する最も有名な類似性の尺度はJaccard係数(谷本係数) Tである。2つの構造は T > 0.85 {\displaystyle T>0.85} (Daylightフィンガープリントの場合)のとき、常に類似していると見なされる。
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