額の汗の法理と創作性とは? わかりやすく解説

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額の汗の法理と創作性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 20:51 UTC 版)

アイディア・表現二分論」の記事における「額の汗の法理と創作性」の解説

アイディア・表現二分論相反するのが「額の汗の法理英語版)」である。額の汗の法理に基づくと、額に汗したその労力賜物保護するのが著作権法目的であると考えられ、たとえそこに個人視座スキル欠如し創作性要件満たされていなくとも、著作者利益保護されるべきだとの結論達する。実際判例具体例として挙げると、電話帳作成には多数電話番号収集する労力要する。額の汗の法理をとれば、この電話帳著作権保護されるため、第三者複製して再出版すれば著作権侵害に当たる。しかしアイディア・表現二分論立脚すれば、電話番号単なるデータ (アイディア) であり、番号並べ方も表現工夫限られていることから、いくらコピーしよう著作権保護されない (詳細後述の「ファイスト出版ルーラル電話サービス裁判1991年米国最高裁判決参照)。 額の汗の法理は、英国においては1900年の「ウォルターレーン裁判英語版)」(Walter v Lane; AC 539) が初出とされている。そしてアイディア・表現二分論創作性要件否定する傾向は、同じく英米法系カナダオーストラリアインドにまで波及した米国においても、上述電話帳をめぐる1991年最高裁判決で額の汗の法理否定されアイディア・表現二分論が再支持されるまでの間、実に約90年も額の汗の法理用いられ著作権法上の混乱もたらしたと言われている。

※この「額の汗の法理と創作性」の解説は、「アイディア・表現二分論」の解説の一部です。
「額の汗の法理と創作性」を含む「アイディア・表現二分論」の記事については、「アイディア・表現二分論」の概要を参照ください。

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