音楽における可聴域
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/15 14:22 UTC 版)
ヒトは、様々なアナログ楽器から発する音波を素材として広く音楽に採り入れ、聴覚の範囲を開拓してきた。楽器が発することのできる音波の特徴や周波数帯域は様々であるが、特に低音域については可聴域の限界を超えた試みがなされている。それに対して高音域については、超音波に近づくにしたがい物理的に発生が困難となる理由も相まって、素材として開拓の余地がまだ大きく残されている。 低音域については、西洋音楽におけるコントラバスより低い特殊な音域を大太鼓や銅鑼の打楽器で発することができることは古い時代より世界各地で知られており、これらは皮膚に振動を感じさせる特殊な効果を持っているため、独特な扱われ方を呼んできた。それ以外に、通常大型とされているパイプ・オルガンでは、巨大な32'ストップが常設されており、弱音から強音に至るまで全身に振動を感じさせる効果はある意味で聴覚の限界を追求しようという挑戦であるが、更に現代では、アトランティック・シティ・コンヴェンション・ホール(外部リンク:公式サイトによる写真)やシドニー・タウン・ホールにおいて64'ストップも登場し、音とは言いがたいほど超低音の空気振動を発する巨大な管によってより聴覚を超えた音素材の効果を活用しようという挑戦が続けられている。
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