韓国における日本産品種の無断栽培問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 20:29 UTC 版)
「イチゴ」の記事における「韓国における日本産品種の無断栽培問題」の解説
2000年代の大韓民国でのイチゴ生産の多くは、日本で開発されたレッドパール、章姫などといった品種であった。これらの品種は植物新品種保護国際同盟 (UPOV) により知的財産の概念が導入されており、該当品種栽培が権利化された国で販売する場合、栽培者はその品種の開発者に対して栽培料(ロイヤリティー)を支払うこととなっている。しかし韓国の生産者はロイヤリティーを支払わずに韓国で生産した日本産品種を日本に逆輸入させていた。これらはいずれも韓国の一部の生産者に許諾が与えられたものが、無断で増殖されたものである。 日本政府はロイヤリティーの支払いを強い姿勢で求めたため、韓国では章姫、レッドパール、とちおとめ等を交配して、雪香、苺香、錦香等が開発さた。韓国の聯合ニュースは「韓国で開発したイチゴ新品種の国内栽培比が日本品種を追い越した」「国内品種の栽培率が高まったのは、日本品種に比べておいしい上に収穫量が多く、病害虫に強くて栽培技術も安定化されたため」と報じた。実際、2010年代の韓国産品種の輸出量は日本産品種の輸出量を圧倒しており、農林水産省は日本産品種を交配して作られた韓国産品種がアジア市場に流れたことにより、日本のイチゴ業界は5年間で最大220億円分の輸出機会を失ったと推計している。ちなみに、2006年の日本の韓国産イチゴの輸入量は2001年に比較して12%まで減少した。その後、事件の余波もあり2016年時点は1%程度にまで落ちている。
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