非市場経済の貨幣、交易、市場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 23:47 UTC 版)
「非市場経済」の記事における「非市場経済の貨幣、交易、市場」の解説
共同体の内部と外部で貨幣、交易、市場の扱いが異なる。 貨幣 貨幣は目的別に分かれており、身分によって使える貨幣が決まっていたり、共同体の内部と外部で用いられる貨幣が異なっていた。すべての機能を含む全目的な貨幣が現われたのは、文字をもつ社会が誕生して以降となる。 交易 共同体の内部への影響を防ぎつつ、外部と交流するための制度として、沈黙交易、交易港などの管理交易を持つことがある。交易は首長によるか成員全体の参加で行ったり、身分型の商人が担当する場合がある。身分型商人の収入は公的に保証されていた。 市場 市場には自己調整的な価格形成力は存在せず、対外市場と共同体内の地域市場にわかれる。対外市場は交易など共同体の外部からの財の獲得に関係し、地域市場は共同体での食糧の分配に関係する。地域市場は、さらに二つの形態に分かれる。第1は物資を中央に集めて分配する形態で、灌漑型の国家に顕著に見られる。第2は地域の食料を販売する形態で、古代ギリシアの小農経済や叢林型経済に顕著なものとなる。古代ギリシアでは、対内市場にはアゴラ、対外市場にはエンポリウムが存在した。 大規模な共同体で交易や市場に従事する者は、共同体の内部と外部で異なり、古代メソポタミアのタムカルム、古代ギリシアのアゴラにいるカペーロスとエンポリウムにいるエンポロス、アステカのポチテカなどが知られる。
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