【静安定緩和】(せいあんていかんわ)
航空機を設計する際に、運動性を高めるために機体の静安定性を意図的に劣化させた上で、機体の制御にコンピュータの補助を加えること。
機体の安定性向上と運動性向上は二律背反する要素であるが、この矛盾をある程度解消することができる。
なお、ときおり「負の静安定性」と評されることがあるが、「負の静安定性」とは機体が外力が一切加わらなくても勝手に姿勢を変化させてしまうことであり、このような性質を持つ機体は存在しない。
一般に静安定緩和機とは「外力に対して抵抗しない『ゼロ安定』」もしくは「これまでの機体ほどには抵抗しない『正の静安定』」の機体のことを指す。
関連:フライバイワイヤー CCV
静安定緩和 (RSS)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/02 23:19 UTC 版)
「運動能力向上機」の記事における「静安定緩和 (RSS)」の解説
従来の航空機は、全飛行領域に渡って静安定がプラスになるよう、重心は空力中心より前方に位置するように設計されている。しかしこのためには、釣合い飛行状態では水平尾翼が負の揚力を発生せねばならず無駄になるほか、十分な安定性を確保しようとすると尾翼面積が大きくなり、構造重量や抵抗が大きくなる。 これに対し、静安定緩和 (RSS)特性を備えた航空機では、重心位置を後退させて静安定を小さくしたり、あるいは負の静安定をとる=不安定として、不足する安定性は制御によって補償する。このようにすることで水平尾翼を小さくでき、構造重量や抵抗を減少できる。また軍用機であれば運動性の向上も期待できる。
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