雑誌「公的扶助研究」における福祉川柳事件
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「生活保護問題」の記事における「雑誌「公的扶助研究」における福祉川柳事件」の解説
1993年6月、福祉事務所で生活保護を担当するケースワーカー等で組織する「公的扶助研究全国連絡会」の機関誌『公的扶助研究』が、「第1回福祉川柳大賞」を企画し、福祉職員による福祉川柳を掲載した。なお、「職場外では話題にできない思いを、川柳に託して表ざたにし、成仏させてやろう」という目的が記され、「マスコミ関係者の目に触れぬようご注意ください」という注意書きが添えられていた。 後にマスメディアが川柳の内容を報道し、障害者団体など20の団体が発行元に抗議を行った。なお、問題とされた川柳の一つは「ケースの死 笑い飛ばして 後始末」というものである。批判を受け雑誌は一時休刊。発行団体である公的扶助研究全国連絡会は事態の総括を余儀なくされた。福祉川柳事件ともいう。 朝日新聞天声人語は「これは川柳ではない。五七五で、悪口を言い、不満をぶちまけたもの」としたうえで、「抗議した人は、仕事上の緊張や不満を解消したかったのかも知れないと言いながら『良心的な人たちだと信じていたケースワーカーが、実はこんなことを考えていたとはショック』だと告白している。本音を言うか言わないか、それだけの問題だと考える人もいるかも知れない。しかし、いやな仕事だと思いながら福祉の事業に携わっている人ばかりではないだろう」と記している。 しかし、前節にもあるように福祉職員の厳しい労働環境の問題もあり、朝日新聞はこうした問題には言及せず批判したことで福祉の現場を配慮していないという批判も受けた。 ちなみに、公的扶助研究全国連絡会は、事件後に団体名を「公的扶助研究会」に変えている。
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