関係節化の方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/11/18 03:34 UTC 版)
関係節化にはいくつかの方法があり、被修飾名詞(主要部)に当たる表現が元の節の中でにあるかどうか、あるとすればそれがどのように表現されるか、という観点から分類される。 たとえば日本語では、被修飾名詞に当たる表現はなく、元の節の中の空所として残るだけである。このような空所型(gapping-type)の言語の例として、韓国語がある。 (4) 韓国語 현식이 그 개를 때린 막대기 [Hyənsik-i kɨ kä-lɨl ttäli-n] maktäki ヒョンシク-NOM その 犬-ACC 叩いた-REL 棒 「ヒョンシクがその犬を叩いた棒」 :151 また、英語などヨーロッパの言語に多く見られるのは、関係代名詞を用いる方法(関係代名詞型)である。関係代名詞は、被修飾名詞が関係節の中で担う役割(主語、目的語など)を表すと同時に、関係節の最初に置かれて接続詞の働きをする。たとえば(5)のロシア語の例では、関係代名詞 kotoruju が対格であることから被修飾名詞の devuška「少女」が関係節の中では目的語になることが分かる。 (5) ロシア語 девушка которую я видел devuška, [kotoruju ja videl] 少女 誰-ACC 私 見た 「私が見た少女」 :149 被修飾名詞に当たる代名詞を関係節の中で用いる方法もある。このような方法は代名詞残留型(pronoun-retention type)と呼ばれ、たとえば、ペルシャ語などに見られる。ペルシャ語では、主語と目的語以外の要素を関係節化する場合、代名詞残留型関係節となる。たとえば(6)の例では、被修飾名詞の zanirā「女性」に当たる代名詞 u「彼女」が関係節の中にあり、彼女がジャガイモを与えられた人であることを表している。 (6) ペルシャ語 man zanirā [ke Hasan be u sibe zamini dād] mišenāsam 私 女性.ACC REL ハサン に 彼女 ジャガイモ 与えた 知っている.1SG 「私はハサンがジャガイモをあげた女性を知っている」 :148
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